2016年7月31日日曜日

風烈廻り与力・青柳剣一郎 23

風烈廻り与力・青柳剣一郎 23 朱刃 小杉健治
 三ヶ月前から火付盗賊「朱雀太郎」が出没する。堂々と表から押し入り土蔵の鍵を要求する。手向かえば殺し、火を付ける。鼻緒問屋「生駒屋」は千両箱を盗まれた。札差し「後藤屋」は主人が殺され、屋敷は全焼した。五件目酒問屋「伏見屋」用心棒が殺され、主人が殺され周辺の商家が焼けた。薬種問屋「佐原屋」主人が殺され火を付けられた。
 青柳剣一郎は三年前姿を消した『朱雀秀太郎」との関連を考えた。秀太郎は殺さず傷つけず盗みだけの盗賊だった。
 青柳剣一郎は、侍が咳をし、主人が「あっ」と声をあげ殺されたと言う証言から咳をする浪人、御家人を探す。進藤勝之助を割り出し、見張り、他の仲間を探し出そうという時に第二の火盗改めが発足し、進藤を捕まえてしまう。第二の火盗改の長官は、横瀬籐之進で、若い時、真下道場で青柳剣一郎と竜虎と称された、一千石の旗本だった。横瀬は剣一郎を目の敵にしている。
 青柳剣一郎は進藤は何も話さないだろうと思っていた。進藤の周辺、前に会っていた三浦屋助五郎を見張る。朱雀太郎がまた襲った。が助五郎は動かなかった。
 助五郎の立ち回り先、会う人を調べ見張りを置く。進藤が自分の看病をしたために胸を患った女に助五郎が人参を届けていた。
 剣一郎の屋敷に十次屋の女将が相談に来た。朱雀太郎のことを気にしていた。昔の知り合い七兵衛に呼び出されて出て行った後、七兵衛がやって来た。主・庄蔵は帰らない。という。庄蔵と七兵衛は秀太郎の仲間だった。三人は足を洗っていた。朱雀太郎が気になった秀太郎は自分が動けないので七兵衛が江戸へ出てきた。四人に分割した南の哲太郎も東の昌五郎もいなくなっていた。七兵衛は自分たちが密告した霧の鮒吉の身内による仕返しだと思った。十蔵に出合い家で世話になる。身体が動かなくなり寝ている。
 青柳剣一郎は横瀬の屋敷に行き、進藤と話しをさせてもらう。何もしゃべらなかった進藤が剣一郎が話ていくと、全てをしゃべった。朱雀は二人いた。三浦屋助五郎と市助。二人は秀太郎の手下だった。剣一郎は三浦屋へ向かう。横瀬が馬を走らせ追い抜いた。が三浦屋も十蔵の所にいた。
 七兵衛は十蔵の手下・五助に火盗改めへの密書を頼んだが失敗していた。常吉が七兵衛と五助を殺しに掛かった時、南町奉行所の捕り方が廻りを囲み、剣之助が潜み込んでいた。納屋の裏から三人の遺体が出た。玄武の常と白虎の十蔵は獄門、後は死罪と遠島、五助は短期の遠島になった。五助は七兵衛が倉賀野宿の旅籠で知り合った女中の亭主だった。
 

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