2022年5月14日土曜日

またあおう しゃばけ外伝

 またあおう 畠中恵
 〜しゃばけ外伝〜

 長崎屋あれこれ 長崎屋紹介 先代長崎屋の妻は皮衣という齢三千年の妖狐だった。娘・たえを守る妖狐・守狐が庭の稲荷にいる。鳴家という小鬼のような者たちがいる。
 若旦那・一太郎が暮らす離れには妖が集まってくる。兄やは犬神と白沢。碁相手な付喪神の屏風のぞき。借家には噺家は漠・場久。三味線を教える猫又・おしろ。貧乏神の金次もくる。近くの神社の鈴・付喪神の鈴彦姫も来る。
 広徳寺の僧・寛朝が弟子・秋英を伴ってやってきた。寛永寺の寿真の話が出る。寿真の弟子の黒羽は飛べなくなった天狗が人に化けている。二人の僧は妖封じが出来る数少ない僧だ。
 大黒天が遊びに来た。一緒にお稲荷様、生目神、橋姫もやってきた。宴会になった。

 はじめての使い 戸塚宿の猫又が、約束通り江戸の染物屋が出した猫又柄の手ぬぐいを沢山送ってくれた長崎屋にお礼をすることにした。白狐のきつね膏薬を持ってとら次と藤沢宿のくま蔵が行くことになった。二人ははじめての旅、江戸だった。
 保土ケ谷で二人は雲助に金も荷物も奪われる。雲助との交渉中、猫が口入れ屋大阿部屋の者に追いかけられているのに出くわす。皮を剥ぐことを聞いた二人は猫たちを逃がす。その場は雲助たちに助けられたが雲助たちは捕まってしまう。二人は大阿部屋に乗り込む。捕まる。大阿部屋は、泥棒の集まりだった。江戸で盗みをし、すぐ帰ってくる。二人が長崎屋にいくことを知って、一緒に行くことにする。長崎屋の前で、得体の知れない者にみんなやられる。二人は戸塚に助けを求めていた。大阿部屋は自分たちが窮地にたっているのに二人の心配をしていた。影の声が、もう江戸に来るな。己の宿で必死に働け。あんた盗賊には向かんよ。と言った。

 またあおう 長崎屋の主・籐兵衛のお供で金次と屏風のぞき・風野が、連に行った。面白い書や巻物、絵を見せあう。急に天気が崩れ突風で屋根が飛ぶ。二人は付喪神たちをできるだけ助けたが、傷を負っていた。付喪神を修繕できるのは長崎屋だけだとできるだけ預かって帰る。みんなで修繕する。草双紙の引き込まれる。桃太郎の本だが話が違う。金次やおしろたちが話を聞くと、桃太郎や鬼や村人らが年月が経ち付喪神になって仲良くなった。鬼が農民になっていた。もう戦いをする気がないという。
 直しが終わって大亀屋に草双紙を返す。また借りる約束をして返す。以前よりきれいになったと帰って行った。鬼ケ島にいる皆で芝居をするよう提案していた。世間に知られている桃太郎を演じていた。

 一つ足りない 九千坊河童は中国のぐっと奥に棲んでいた。寒さと飢えに見舞われ仲間を守るため東へ海を越えてやってきた。九州に住み始めた。猿が河童を襲ってきた。九州の河童の一団は東に向かった。九千の河童を受け入れてもらえるか心配している時、流されている河童を助けた。禰々子の一の子分・杉戸河童だった。眠った禰々子を猿が勾引かし、人間に捕らわれている。飲めばどんな相手とでも話せる秘薬を持ってこいと言っている。九千坊が持っている秘薬だった。九千坊は禰々子を助けに人間の屋敷に潜り込む。捕まるが、そこに禰々子はいなかった。守りが厳重な倉を見つけた。戦いが始まった。声を聞いた禰々子が目を覚ます。猿と人間が悪さをしていると思った禰々子と、中国で飢えた時から仲間を庇い己を諌めてきた九千坊は、遠慮なく戦った。二人は相談した。坂東太郎も参加し、築後次郎の側の水天宮に頼み領主に住む許可を貰い落ち着き、猿から青玉を回収していくことになった。九千坊は九州に帰った。河童たちは恩義を感じ水天宮の使いとして役に立つようになった。

 かたみわけ 寿真が亡くなり、寛朝も亡くなった。寛朝から妖退治を引き継いだ秋英から一太郎に文が来た。寛朝の形見分けということで護符が貼られた物をいくつか渡してしまった。その中で逃げた者がいた。それを探して欲しいと言う。見える者が探し出してきた。寛朝の最期の弟子・寛春が、三途の川へ流される袋に入れられている。秋英は、鬼よけの護符と交換に寛春を助けた。今まで寛春が無事でいられたのは寛春が妖が見える子だったからだ。秋英は己が支える側に回ったことを得心した。
 

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