QER 神鹿の棺 高田崇史
奈々と崇は小松崎の運転で茨城に向かう。鹿島神社、香取神社、息栖神社。
三人が茨城に行く数日前に、茨城県の山中にある寂れた三神神社の宝物庫にあった陶製の大瓶の一つから、膝を抱える大勢をとった古い白骨死体が発見された。警察や郷土史家らが出入りするなか、 同じ神社で瓶に入った遺体が発見された。91才の元宮司、赤頭善次郎。
後輩が取材している小松崎は、事件現場に行く。崇を誘うが崇は行かない。そして今度は水死体が出るかもと言う。
二日目、二人は、大甕倭文神社(おおみかしとり神社)元倭文神宮。静神社 元静太神宮、を回る。
三神村の女性の水死体が発見される。自殺だった。小松崎は手を回し、県警刑事に崇の話を聞く手はずを整える。
呼び出された崇は、三神神社へ行く。女千木だった。
終戦後、安渡川が氾濫し人柱を立てることになった。人柱はこれで最期にすると言う約束で沖墨友子に決まった。その夜、終戦直後に人柱になったはずの明越ナエが現れ、友子に代わりにナエが人柱になると言った。ナエは当時妊娠していた。姉のヨシが代わりに人柱となり、ナエは駆け落ちした。戦争で子供を失い、一人になったナエは姉のところに行きたいと大瓶に入って船にのり川の真ん中で沈められた。友子はナエがいた諏訪で暮らす。
数年後、戦死したとされていた悟・友子の兄が帰ってきたという噂があった。
やがて、友子は村に帰り、善次郎に二回の身代りの人柱の話をする。
何年も過ぎて今回の白骨死体発見があり、善次郎に詰め寄り話された。帰ってきたのは悟だった。悟は友子を人柱にしたのが、善次郎だと聞き、善次郎のところでもめ悟は死んだ。善次郎も怪我をし、川に流せなくて瓶にいれるのが精いっぱいだった。鍵は自分が持っているから発見されなかったと話した。話を聞いた友紀子は善次郎を突き飛ばした。善次郎は頭を打ち亡くなった。善次郎に安渡川に沈んでもらおうと思ったが、時間がなく出来なかったので、替わりに自分が川に沈んだ。 ということだった。
三神村は赤白黒が名前に入った名字の九家が、三家づつ三ヶ所に分かれ、三角の結界を組んで真ん中に三神神社を置く。三神神社は、人柱に立った女性の怨霊を閉じこめ祀って居る神社だった。
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