よろず相談屋繁盛記④ やってみなきゃ 野口卓
一年長いか短いか 信吾が将棋会所「駒形」を開いて一年になる。将棋大会を開くことになった。集まった寄付で賞金を出す。三両、二両、一両。十才の少女・ハツも出ることになった。出場者は百八十三人になった。
よろず相談屋繁盛記④ やってみなきゃ 野口卓
一年長いか短いか 信吾が将棋会所「駒形」を開いて一年になる。将棋大会を開くことになった。集まった寄付で賞金を出す。三両、二両、一両。十才の少女・ハツも出ることになった。出場者は百八十三人になった。
よろず相談屋繁盛記③ そりゃないよ 野口卓
人を呪わば 宮戸屋で食事をしたひとが腹下しをしたと医者がやってきた。傘庵。瓦版が出る。岡っ引き権六が調べてくれているようだ。権六は大ぴらに出来ないようで、宮戸屋の繁盛を嫉む深田屋が医者と結託してでっちあげ金を強請るための狂言だったことを、知りあいの瓦版書き・天眼に書いて貰う。
縁かいな 生き物と話しの出来る信吾は、甚兵衛の飼い猫・黒介に相談屋の看板に伝言箱を取り付けることを提案される。相談に来た人は、今までの相談で面白い話しを教えて欲しいというものだった。信吾は仲が悪い商家の娘と息子が恋しあった話しを作って話した。その話しが寸暇亭押夢という人によって「花江戸後日同舟」という戯作本になって売り出された。
常に初心に 巌哲和尚の紹介でやってきた丑太郎は楽しくしゃべり、ぼんやりしていたことがくっきりと見える気がすると相談料を二分置いて帰った。
よろず相談屋繁盛記② まさかまさか 野口卓
よろず相談屋繁盛記① なんてやつだ 野口卓
禁裏付雅帳〈十二〉 継争 完 上田秀人
突きの鬼一⑥ 春雷 鈴木英治
城下の寒天問屋から賄賂をもらっている江戸家老・黒岩監物が、手を組んでいた殿の母親・桜香院の殺害を忍びの頭・東御万大夫に命じた。国元の一郎太の弟・重次郎の一粒種・重太郎の重体が知らされる。桜香院は美濃に向かう。一郎太は神酒藍蔵と桜香院の警護をしながら美濃に行く。一郎太に冷たかった桜香院だったが、優しい言葉を掛けるようになっていた。桜香院の危機を救い国元に着く。孫に会い城に泊まったものと思っていた桜香院が、元居住していた離宮で殺される。
蘭方医・宇津木新吾 ⑬ 恐喝 小杉健治
照降町四季(四) 一夜の夢 佐伯泰英
八頭司周五郎は兄の死を病死にするよう殿に直談判する。その代りという条件が出された。
照降町はどんどん復興する。宮田屋、若狭屋、南峰の診療所、ふみの小網湯、牢屋敷も出来道場も出来た。
浮世絵宗次日月抄〈五〉 汝よさらば 門田泰明
宗次と別れようとしていた西條家の美雪は、宗次と生きていくことを決心する。宗次も受け入れる。
宗次が倒した隠密情報機関「葵」の本家本郷家を統括する高尾が現れる。葵を壊滅させた宗次・徳川宗徳を憎んでいた。高尾が自死した後、高尾の右腕富士に銃で撃たれ倒れる。
死んでしまった?吹雪は来ない?死んで終わるのは嫌だ。
家請人克次事件帖 秋草の花 築山桂
ふしぎ 細谷正充
睦月童 西條奈加 悪いことをした者が睦月童・イオを見るとイオの目が金色に光る。
潮の屋敷 泉ゆたか 江ノ島から江戸へお嫁に来た。屋敷は老人の殺された家だった。
紅葉の下に風解かれ 廣嶋玲子 飼い主を探していた白兎はあやかしになった。白兎は少年に付纏う母親のあやかしを少年から離し、行くべきところに連れて行く。
紙の声 宮本紀子 直筆の書き物から亡くなった人を呼び出せる主人がいる紙屑問屋に奉公にでた太一。亡くなった父親と話しをし、大工になり父の望んだ家を建てた。
遺恨の桜 宮部みゆき 回向院の茂七 商家の息子、日道と名乗り霊感があると引っ張りだこ。見えることもあると言う。
まっくら長屋騒動記 江戸の茶碗 中島要
江戸の茶碗 贋茶碗に騙された兄、別の人を騙そうとするが妹が止める。赤目勘兵衛が連れてきた永田屋八助が百両にしてくる。「江戸の茶碗」と銘々される。兄妹は店を買い戻した。
寝小便小僧 九才の定吉。夜中の便所で鬼に遭遇し、夜中に便所に行けなくなり寝小便をするようになった。馬鹿にされるのがいやで手習いに行けない。初に困ったら赤目さんに相談するよう言われた定吉は赤目に相談する。林仙時では礼金、墨代、半紙全ていらない、全て和尚の持ち出しだった。赤目は見つけた般若の面で和尚が霞小僧だと見抜く。定吉も知るが和尚を許す。
遺言 山城屋の亡くなった新造の遺言で赤目勘兵衛は月に一両貰っている。放蕩息子の栄太郎は近江屋の年上の娘と結婚させられるのがいやで娘が結婚できないようにしてくれと頼みに来る。赤目は栄太郎を殺しに来る。山城屋の主人の遺言は山城屋の先行きを見守り、店が傾いた時には災いの根を絶って欲しいということだった。今まで内儀に命を護ってくれと言われていたから我慢していたが、断ってきたからきたから遠慮が無くなった。先代の遺言を果たすと言う。一閃され元結を切られた。栄太郎は近江屋の娘と一緒になることにした。
真眼 十五年前、掛け取りの五十両を殴られ奪われ目が見えなくなった梅次郎は按摩をしている。お人よしが売り物だ。長屋のくず拾い彦兵衛が大店三河屋の隠居だと分かった。彦兵衛は梅次郎に優しい。医者を紹介してくれ医者代を持ち目を治してくれた。目が見えるようになった梅次郎は昔の泥棒は彦兵衛ではないかと疑る。逢いに行ったとき彦兵衛は亡くなっていた。泥棒の鼻の脇にほくろがあった。彦兵衛は確かめようとしたが目は開かなかった。つむったまま彦兵衛の笑顔が見える気がした。
嫁入り問答 相手が馬鹿だから嫁に行くのはいやどという湊屋の娘・花。尼になると言う。赤目の知りあいの尼僧に頼み相手の弥太郎と問答をすることになった。尼になるよりも自分の言いなりになる亭主と一緒になった方が得だと気付いたようだ。花は弥太郎と一緒になることを決めた。
男と女の間 定吉は喧嘩ばかりする赤目と母親を心配している。和尚に母親の再婚を言われ赤目が父親になるのはいやだ。と思う。
料理人季蔵捕物控㊶ 焼き天ぷら 和田はつ子
季蔵は北町奉行の烏谷に、呉服問屋浅岡屋の跡取り息子・元太郎が八王子で想い女・紅代と暮らしているので連れ戻して欲しいと頼まれた。 季蔵は八王子で紅代と紅代の幼なじみが心中しているところに遭遇し、元太郎を連れて江戸に戻る。季蔵は二人は殺されたのではないかと思った。
商家の主が次々と殺される。季蔵の馴染の長崎屋五平と間違われ弟弟子が殺された。それらは殺し屋の仕業と思われた。殺し屋の元締めと思われた艾屋が殺された。五平の持ち物が傍に落ちていたので五平は捕まる。新しく商家の主になった者が集まるということで季蔵は烏谷の意向で南町の奉行宅に出張し京風料理を拵える。庭の木の根元に埋めてあった小判を掘り出した持ち帰ったようだった。集まった商人は吉川奉行夫婦にたっぷり贈答品を渡した。
季蔵は元太郎から相談される。番頭に店を譲らなければ主と若旦那の命はないと文が届いたと。季蔵は八王子に行く。前に出会った和尚も役人も全ての人が居なかったり、違った人だったり。
季蔵は浅岡屋の茶室の傍で聞く。浅岡屋の主人は殺され番頭が捕まり、元太郎が番頭を殺し、番頭に殺され掛けたが反撃しころしてしまったことにするつもりらしい。その場にいた鍋が殺され、秋と季蔵が踏み込み番頭は助かり元太郎は捕まった。
元太郎は鍋から艾屋が殺し屋の元締めで殺しを頼む商家の主は、自分に直接関係のない者を頼む。元太郎は長崎屋殺しを頼む父親を見てしまったことで、自分が殺し屋も元締めになろうと考えたのだった。
新・秋山久蔵御用控〈十一〉 残り香 藤井邦夫
出戻り 秋山久蔵の首に25両が掛けられていた。秋山の弱みを教える噂をまき、寄ってきた者を調べる。旗本内藤家が浮かぶ。離縁されて帰って来た娘は、二年前、夫が名のある壺や茶碗や名刀の偽物を作り売りさばいて、秋山が切腹に追いこまれていた。娘・浪路は尼になった。
向島・箱屋の新吉新章〈一〉 箱屋の使命 小杉健治
風の市兵衛㉙ 寒月に立つ 辻堂魁
公儀十人目付筆頭・片岡信正の命で越後津坂藩内定の最中、返弥陀丿介が瀕死の重傷を負った。信正は、譜代ながら跡継騒動を抱え、陰に御用商人の不審な噂が絶えない津坂藩の探索の続きを唐木市兵衛に託す。
津坂藩の江戸家老・聖願寺豊岳は藩御用商人と組み藩政を握っていた。津坂湊の香住屋と長浜湊の武井が手を組んでいた。長浜には朱雀家の采地があり津坂藩藩主鴇江伯耆守憲実の正妻・蘭の方は朱雀家から来ていた。十年前、朱雀家の遠縁から鴇江家に婿養子に入りお世継ぎに決まっていた。お世継ぎの松之丞が錯乱状態になり暴行し、家臣に斬られたことにより跡継ぎ問題が起こった。聖願寺派は朱雀家から養子を得ようとする。十年前、側室の阿木の方と生まれたばかりの若君を殺されると言う事件があった。御年寄役・戸田浅右衛門は助かった若君を死んだものとして真野分蔵夫婦に託し江戸へ逃がした。その若君を呼び戻そうとした。聖願寺が使っている影の目付・丹波一味が動き、若君を探し出し殺そうとしていた。
市兵衛は若君を探しだし、襲ってきた丹波を倒す。世継ぎ鴇江憲実が正式に幕府に届けが出された。
将軍が片岡信正の弟・唐木市兵衛の存在を知った。市兵衛は十俵の扶持を貰うことになった。旗本五千石広川家の養子縁組みの見合い話が進んでいる。
婿どの相逢席 西條奈加
楊枝屋の四男坊・鈴之助25才は、仕出屋「逢見屋」の長女・千瀬の婿になった。何もする事が無かった。役目は子をなすこと。女の子を授かることだった。
千瀬は鈴之助に期待していると言う。鈴之助の人を和ませる力に。
逢見屋に嫌がらせをする仕出屋「伊奈月」がある。魚屋を巻き込み噂を振りまく。鈴之助は伊奈月の若旦那に逢見屋に嫌がらせをしているつもりでも、自分に振りかかって来ますよ。と忠告する。伊奈月は潰れる寸前になる。
新酔いどれ小藤次〈二十〉 三つ巴 佐伯泰英