2021年10月2日土曜日

新酔いどれ小藤次〈二十〉 三つ巴

新酔いどれ小藤次〈二十〉 三つ巴 佐伯泰英 

 偽鼠小僧の悪事が止まらない。偽鼠小僧は二組いた。火付盗賊改の琴瀬と小菅が一組目。
もう一組は、元締めが表火之番組頭・井筒鎌足、話の出所が両替商の三番番頭・井筒の三男、実際に押し込むのは十人組の十人だった。

 小藤次が研ぎ舟にしていた船に水が入るようになり、船が新しくなった。無料で仕立ててくれた船大工にあやかり蛙丸と名付けた。
 
 子次郎の知り人・充吉が、子次郎をおびき出すため火盗改に捕まっていた。町中の商家の土蔵と長屋を自前に使っていた。琴瀬を斬り、充吉を助け出す。火が出た。小菅は火盗を放逐される。小菅は望外川荘に現れる。梅が人質になるが、子次郎の畳針で助けられる。小菅は斬られ無縁墓に葬られた。
 小菅と琴瀬は火盗改の身分を利用して鼠小僧の仕業と見せかけ私服を肥やしていたとされた。

 小藤次と駿太郎と子次郎、青山の家臣・中田新八としんと北町与力・岩代壮吾と南町同心・近藤精兵衛が、両替商錦木屋を船で見張っている。押し込もうとした表火の番の者を取り押さえ篠山藩江戸藩邸に連れ込んだ。目付頭が呼ばれ表にだされなかった。

 子次郎は薫子に会いに行った。三河湾を望む高台の屋敷で薫子は老女・比呂と暮らしていた。

 

 

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