海坂藩大全 上 藤沢周平
暗殺の年輪 葛西馨之介の父は22年前、暗殺に失敗し、亡くなっていた。父が失敗した暗殺が馨之介に廻ってきた。馨之介は暗殺はしたが、頼んだ人たちが襲ってきた。父の死が理解できた。馨之介は助かるか?
相模守は無害 明楽箭八郎は14年間海坂藩に潜った御庭番だ。将軍家血筋の廉姫と藩主嫡子新七郎に何か起こらないか、藩主の弟・相模守を見張ることだった。相模守を失脚させ帰って来た。海坂藩の江戸屋敷で失脚したはずの息子を見る。箭八郎は御庭番であることを知られていた。箭八郎が帰るのを確認して藩政をひっくり返した。箭八郎は海坂藩に戻り相模守を殺した。
唆す 安政 神谷武太夫は百姓一揆を使嗾したことで海坂藩を追放された。今江戸で武太夫は町人に暴動が起きる種を蒔く。
潮田伝五郎置文 潮田伝五郎は女神と崇める七重の不義の相手井沢勝弥を斬り、その場で切腹する。七重汚されるのが嫌だった。七重は井沢を殺した伝五郎を憎んでいた。
鬼気 藩の強い者の話しになった。噂ではと名前があがった細谷がどれほど強いか帰りを襲おうとした。用意と睨みで逃げ出した。
竹光始末 小黒丹十郎一家が仕官願いで海坂藩にきた。上意打ちの討っ手になる。逃げるつもりだった男は丹十郎が竹光なのを知り果たし合いをする。丹十郎は小太刀を使うのだった。仕官できた。
遠方より来る 三崎甚平のところに大阪攻めの時に知り合った曽我平九郎が訪ねてきた。妻・好江に文句を言われながら世話をする。が、平九郎がごろつきに土下座をするのを見て仕官の話しはなくなった。平九郎は姿を消した。甚平は足軽15人を束ねる小頭になる。
小川の辺 戌亥朔之助は佐久間森衛の討っ手に選ばれる。森衛は意見書を出し、謹慎を命じられていたが、妻・田鶴と脱藩した。森衛は友達で田鶴は妹だった。朔之助は奉公人・新蔵を連れて行く。田鶴は兄の言うことは聞かないが新蔵の言うことは聞く。行徳で森衛を倒し、田鶴は新蔵に預けた。
木綿触れ 絹ものを着てはいけないお触れが出た次の日、友助の妻はなえは実家で羽二重の着物を着た。結婚前に目を付けられた中台に見られ、呼び出しを受けた。帰って着てから二日目、はなえは自死した。中台を斬り、友助は腹を斬った。
小鶴 神名吉左衛門夫婦の家に何も話さない女が来た。小鶴と言い、夫婦は楽しく暮らした。一年たち、隣国から夫・寺川籐三郎が来た。父母が夫婦喧嘩中に父が母を殺し父が切腹した。が、本当は父に小鶴・光穗が斬り付け、光穗を庇うため切腹したようだ。寺川は自ら癒えるのまでじっくり養生させると帰って行った。
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