2015年5月3日日曜日

首切り浅右衛門人情控

首切り浅右衛門人情控 千野隆司
 安政4年 1857年 正月
 浅右衛門七代吉利40半ば 長男・吉豊17才 次男・在吉17才 三男・吉亮4才
四男・真吉2ヶ月 妻・志乃真吉を産み産後の肥立ちが悪く寝込んだまま。
 形見の簪 娘を身請けするために押し込み捕まった男・梅次郎の斬首を執行する前に、話した。捕まっても仲間のことは言わない。その代わり娘を請け出すことになっている。請け出されたか心配だと言う。仲間の名前も言う。浅右衛門は分かったと答える。浅右衛門が仲間の首を落とし、娘を身請けする。
 身代わり 二月 長谷藤の娘・おそのが遊び仲間の旗本・橋本耀四郎の名で呼び出された物置き小屋で、ならず者・角次がおそのに乱暴しようとした、やって来たおそのの許嫁吾助が角次を殺してしまったという事件が起きた。
 浅右衛門の前に、おそのが殺し、吾助は身代わりだという女が現れた。吾助はおそのが刺した匕首を自分が押し込んだから殺したのは自分だと言う。
 全てを見ていた耀四郎は長谷藤を強請っていた。浅右衛門は耀四郎の首を刎ねた。吾助も刑を受けた。
 脇差 米屋竹田屋の主人・臼兵衛が、米問屋であり金貸しの柏木屋の主人・薪右衛門を殺し刑を執行された。殺人に使われたのが上等の脇差しだったため浅右衛門は調べた。殺人にまで臼兵衛を追い詰めたのは借金取りの柏木屋ではなく、柏木屋に恨みを持つ鶴亀屋勒三郎だった。竹田屋が潰れるという噂を流し、借金を返せなくし、所有する脇差しを与え、臼兵衛の妻子の面倒をみることを約束していた。
 音無しの剣 三月 残忍な強奪事件を起こした浪人が斬首される前に、仲間は高柳又四郎だと言い置いた。浅右衛門の知人だ。そんな人では無いと思いながら探す。高柳も本当の辻斬りを探していた。吉利の目の前で高柳は本当の辻斬りを捕まえた。
 似た女 借金し、店を潰され、亭主を亡くし、我が身も危なくなったおちかは、備前屋を殺すため誘いに乗るが、失敗、捕まり、斬首刑となった。仇を討ってと叫んだ。おちかと共に備前屋を襲った菅野六郎太は逃げ、備前屋を呼び出す。浅右衛門は備前屋の用心棒をおびき出し、六郎太は備前屋を殺す。六郎太は奉行所へ行く。
 おびえる夜 受刑者・為造が浅右衛門に約定の件宜しくお願いしますと言った。牢名主・五郎蔵と同心・滝田五十五郎から話を聞く。為造はおまきに唆されて木曽屋を襲いおまきにお金を全て渡した。という。
 おまきの好きな木曽屋の手代・惣助は博打の借金を店のお金を流用していた。おまきは穴埋めのお金を為造を使って作り助けた。惣助が主人の妹と祝言を挙げ番頭になることを聞いて惣助を刺し殺した。
 蝉の音 五月 兼次郎は俺を売った者もこの世からいなくなる。と言い処刑される。誰かが殺されると思い浅右衛門は調べる。
 兼次郎は商人を襲い、金を取った現場をおそのに見られ捕まっていた。兼次郎の兄は自分も顔を見られたかもしれないと思い、おそのを襲った。浅右衛門はおそのを助けた。
 志乃が亡くなった。

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