首切り浅右衛門人情控2 莫連娘 千野隆司
安政5年 五月 志乃一周忌 吉豊20才 在吉18才 吉亮5才 真吉1才
莫連娘 常次郎は捕まっても仲間のことを言わなければ女房・咲を請け出してくれるという約束だったが、約束を果たされていないことを知り、錠前開け名人朋蔵を捕らえて欲しいと言い残し死んで行った。二人の武士も仲間だという。常次郎は逃げる時に火事で怪我をしたお新を助け捕まっていた。浅右衛門は吉豊を連れ聞き廻る。
お新は身内がいない女ばかりの莫連仲間の一人だった。お新たちは助けてくれた常次郎のために咲の身請け金を作ろうとしていた。
お新たちに、常次郎が畳替えをした旗本と印判屋の朋蔵の見張りを手伝ってもらう。旗本と朋蔵が繋がり、尾行していたお新が捕まり、連れていかれた小屋で千両箱が見付かった。旗本は闕所、咲は身請けされ、寺に入った。
ぬれ衣 六月 種痘所の医師・池田多中が、接種する牛痘痂の量を故意に増やしたとして捕まった。浅右衛門は川路聖謨に池田のことを相談される。
種痘を受けて亡くなった人を調べる。あばずれ娘たちに手伝ってもらう。怪しい男は殺された。握っていた根付けから犯人は蘭方医で初の奥医師になりたい長谷川亮鐸の弟子杉浦と判明した。杉浦は池田が罪人になれば師・伊藤先生に累が及び奥医師にはなれない。長谷川を奥医師にするのが目的だった。杉浦の犯行を知り、強請ってきたので殺していた。
やませ風 浅右衛門は一膳飯屋で娘・おしなが叔父をいたわっているのを見た。叔父は三枡屋の主人・市兵衛だ。市兵衛が借金の督促にきた越中屋を殺して捕まった。一人でやったと言うが、越中屋が持っていた借用証文を入れた風呂敷包みが無くなっていた。浅右衛門は調べる。
市兵衛はおしなが殺したと思い身代わりになっていた。市兵衛を憎んでいたおしなが情夫玄七と組み、おしなが刺した後玄七が留めを刺し、おしなが風呂敷包みを奪い、稲荷に隠していた。玄七は稲荷の風呂敷包みを取り出し、逃げる時に川にはまり死んだ。全てを知っても自分が殺し風呂敷包みも自分が隠したと言い、おしなを助けた。
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