2021年11月9日火曜日

親子十手捕物帳⑦ 

 親子十手捕物帳⑦ 親子の絆は永遠に 小杉健治

 辰吉がりさと別れて二年が経った。りさは鳥羽屋の清吉と一緒になり娘を産んでいる。

 伊賀屋に泊まった男・利八が杉ノ森稲荷で殺された。利八は娘・鶴を吉原に売っていた。金子は持ってなかった。利八に大きな身体の男が付き添っていたようだ。兄弟で利八を狙っていたようだ。弟の甚五郎と、伊賀屋の奉公人・岩松、本当の名は甚一郎だった。

 りさは清吉に頼み、鶴を吉原から身請けし、利八が持って帰るはずだった金子を鶴の故郷に送った。鶴は鳥羽屋で奉公している。

 捕縛中に弟・甚五郎が屋根から落ち死んだ。兄・甚一郎は岡っ引き・忠次が殺したと思い、忠次の内儀・さやの命を狙う。甚一郎は捕まる。大番屋へ護送中、忠次が甚一郎を逃がしてしまう。さやが刺され生死をさ迷う。甚一郎は捕まる。辰吉は、さやが元恋人・寅助と会っていることを知り、忠次が不穏な動きをしていると思っていた。忠次は甚一郎の縛りが緩くなったことを認めた。辰吉はさやが、忠次とすれ違いの生活が寂しいと寅助に愚痴っていたことを話す。忠次は岡っ引きを辞めた。

 一ヶ月後、辰吉は赤塚新左衛門から手札を貰い、岡っ引きとして独立した。若親分と呼ばれている。

0 件のコメント:

コメントを投稿