風烈廻り与力・青柳剣一郎34 砂の守り 小杉健治
身元不明の三人が相次いで殺される。
犯人は仁村道場の師範代をしていた神村左近だった。左近は浅間藩有坂家家臣・大村源一郎だった。信州一帯の出没する信州山岳党と名乗り盗みをする一団を捕まえた源一郎は、盗賊の中心に国家老と大目付、さらに城下両替商の千曲屋が居ることを知った。連判情を手に入れ殿に訴えようとしていた。国許で襲われ、江戸でも襲われていた。
青柳剣一郎は神村左近を捕まえ、殿様が参勤交代で江戸に出てくるまで牢の揚がり屋で保護することにした。
青柳剣一郎は知り人の仁村道場の道場主の見舞いに行き、娘・るりの相手に良い青年・高岡弥之助22才がいると言われる。高岡弥之助は左近に型稽古の大切さを教えられ、辻斬りの犯人が左近でないことを思いながら調べていた。剣一郎の調べや捕物に手を貸す。神田明神でるりと出会い、名も知らないで、互いに一目惚れをしていた。弥之助が剣一郎を訪ね、再会する。剣一郎も多恵も弥之助を気に入った。
るいの縁談・小普請支配旗本の及川辰右衛門の息子を断わった。弥之助は小普請だった。御番入りがかないそうだったが、果たせなくなった。弥之助の小普請支配は及川辰右衛門だった。剣一郎は弥之助に 自棄になって大事な方向を見失うな、日頃の修練が大切だ。なにがあろうと平常心を保つのだ。我が心を鍛えよ。と忠告する。
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