風の王国〈1〉 落日の渤海 平谷美樹
延喜十八年 918年東日流国遠長湊(つがるのくにとおおさみなと)後の十三湊
宇鉄明秀(うてつのあきほつ)17才 十七年前、遠長湊の浜に渤海人の老人に抱かれて打ち上げられていた赤ん坊。水長の宇鉄亞都偉に育てられた。「めいしゅう」幼馴染みの勇魚が渤海へ行くことになり、自分が何者か知りたいために持衰(じさい・航海の安全を祈願するために船に乗せる)として、老人が持っていた刀を携え渤海行きの船に乗る。時衰の世話係易託である橘が荒れる海に飛び込み明秀の守り神になった。
安東勇魚(あんどういさな)23才、明秀の遊び仲間。遠長保の保司・安東葛野の嫡男 東日流国の王・安東高星の指示で安東兼任が遣渤海大使、勇魚は副使になる。
麗津(らいちん)で、契丹の間諜の探索をする。間諜の長は欒把(らんぱ)と名乗る契丹の皇太子・耶律突欲(やりつとくよく)だった。父・耶律阿保機、母・月理朶(げつりだ)、弟・尭骨(ぎょうこつ)
十七年前、現刺史・文奕が麗津欲しさに大文和に謀反の疑いありとし、処刑した。
文奕は麗津大氏の後を継げるよう根回し彼らを滅ばした。文和の妻・娥詠と子・明秀が逃げた。明秀の出自が分かった。短剣は、麗津大氏の執事・鐘公偉のものだった。
文奕の息子・徳信が謀反人として文奕を討った。
勇魚は遣東日流使節団と東日流へ帰ることになった。援軍の要請のために。大明秀と判明した明秀も一緒に帰ることになった。
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