2017年9月16日土曜日

人情同心神鳴り源蔵① 黄金観音

人情同心神鳴り源蔵① 黄金観音 小杉健治
 南町奉行所定町廻り同心尾上源蔵 神鳴り源蔵 妻・静。
 三倉屋の五十両が盗まれた。源蔵は女中への聞き込みで小間物売りの竜吉に目を付ける。竜吉は角兵衛獅子をしていた。十七才の時逃げ出し、天満の七藏と知り合い盗みの手ほどきを受けた。二十二才の時、七藏が足を洗い小間物屋の店を出した。十日後に火事で焼けた。七藏は泥棒に入り尾上源蔵に見付かり捕まった。七藏は獄門になった。竜吉は盗人に戻った。
 竜吉が浅草寺の絶対秘仏の黄金の観音像を盗もうと算段している時、流れ星の銀藏と出会う。銀藏も観音像を狙っていた。三日後に再会することを約束して別れる。銀藏は信州宇津木藩、村上佐渡守幸忠に頼まれたことを教えた。夜、銀藏の夜働きを見、成功したと思った。銀藏には会えなかった。銀藏は殺されていた。竜吉は盗みを頼んだ宇津木家に忍んだ。
 源蔵は一扇堂の娘・加代が宇津木藩村上家に奉公に上がったまま帰らない。という相談をされていた。村上家を調べる。
 竜吉の長屋の隣の浪人・八十嶋大介は元宇津木藩の者だった。許嫁・千世を藩主にとられ脱藩していた。今、殿様は家臣の妻女を離縁させ側室にし、千世は尼寺に入っている。許嫁の兄・金城弥一郎は殿の護衛をしている。八十嶋は村上幸忠の命を狙っていた。
 竜吉は銀藏から聞いていたくらという女の所に行った。後、くらと間夫が殺された。
 源蔵は加代が天雲寺に埋められていることを掴んだ。天雲寺は浅草寺の観音像が移されているということで人気があがっている寺だった。噂をばらまいているのが村上家だった。加代は佐渡守に見初められたがはねつけたために殺された。
 源蔵は竜吉から銀藏のことを聞き出す。
 銀藏が盗んだ観音像は銀藏が頼った一膳飯屋の主の親分・麝香の仁吉が持っていた。銀藏を殺し取った。村上家に二千両で交換という取引を持ち出している。源蔵は取引が終わった後、仁吉一味を捕まえ、二千両を持って村上家に行く。二千両と引き換えに観音像を返してもらう。源蔵は家老ひとりで責任をかぶることがないようにと言い残して帰る。
 佐渡守は隠居した。八十嶋は千世に会いに行った。竜吉が盗みに入るために評判の悪い店を探していると源蔵に出会い、観音像を浅草寺に返すことを頼まれた。

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