御刀番・左京之介④ 虎徹入道 藤井邦夫
汐崎藩前藩主宗憲の未亡人・千代丸の母親・香寿院・香の方は堀田家菩提寺真徳山天慶寺の天光と関係を持ち、天光が欲しがる虎徹入道を手に入れようとしている。
虎徹入道に三百両出すことに反対していた左京之介は命を狙われた。闇討ちが失敗だったと判った時、千代丸から暇を出された。香寿院と侍女・松風が水戸藩大番頭・藤森九郎兵衛と繋がっていることが判った。
千代丸が病気になった。医師・道斎は退けられ、天空が祈祷するという。家老・梶原は反対したため蟄居になる。汐崎藩江戸上屋敷の奥御殿は天光に押さえられた。千代丸も天空に押さえられた。京之介と佐助は千代丸を屋敷から連れ出し、向島へ連れて行った。家中の者には伏せられた。千代丸は快復した。道斎が尾行され、千代丸の居場所が知られた。京之介は千代丸を抱え、斬り抜ける。聖林寺に落ちつく。聖林寺の住職・浄雲は刀工左文字の流れを汲み一族の打った刀に斬られて死んだ者の供養をしている。一族の大叔父のような存在だ。
水戸徳川家から留守居役・土屋外記と御刀番・神尾兵部が千代丸の見舞いに訪れた。香寿院が水戸家の娘のため、幼い千代丸の後見役をしている。明後日千代丸に会いに来るということで帰った。藤森が隠居したことを告げられる。
明後日に水戸家留守居役が千代丸に会いに来ることを知った京之介は千代丸が屋敷に帰る算段をする。天空は千代丸の替え玉を用意する。
京之介は千代丸に家中の者を信用することを説く。京之介は帰参を許された。千代丸は中屋敷に入る。京之介は水戸からの見舞いの時刻を未(二時)にお願いする。
上屋敷表御殿の御座之間に落ちつく。天空と竜全は香寿院を人質にして逃げ出した。土屋外記は日向正宗の鎧通しを持ってきた。千代丸は香寿院を水戸で預かってもらえないかと尋ねた。後日断りがきた。
夜、駿河の総本山に逃げようとする天空と竜全を襲い、殺す。虎徹を取り、御刀蔵に入った。
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