2017年9月3日日曜日

御刀番・左京之介③ 数珠丸恒次 

御刀番・左京之介③ 数珠丸恒次 藤井邦夫
 汐崎藩御刀番・左京之介は水戸藩の所持した数珠丸恒次の目利きをした。水戸藩から数珠丸恒次が盗まれたために京之介は水戸藩から疑われる。
 京之介は刀の行方と背後を探る。水戸藩の刀を手に入れた方法は騙しだった。汐崎藩は水戸家の陰謀で藩主交代をしなければならなくなり、藩主の母親が水戸家の娘であり、現藩主が幼少であるために水戸家の干渉を多大に受けていた。京之介は水戸家の干渉を少なくするために水戸家の弱みを掴みたかった。
 水戸家は江戸家老・本田修理の命令で御刀番・神尾兵部の下、裏柳生の左馬之介が動いていた。刀を盗んだのは根来忍び・白虎と判る。正体が掴めない。左馬之介は根来忍びの罠に掛かり爆破されたが、火傷を負い小川に転がり込んだ。裏柳生の抜け忍・楓は根来忍の蛍を助ける。捨て駒にされる忍から抜けないかと誘う。組頭・喜十が逃げるために蛍を盾にしたことで、喜十を倒そうとするが、相討ちになる。裏柳生の左馬之介の代わりに五郎丸、根来は不動が現れる。
 京之介は水戸家が久遠寺から数珠丸恒次を騙しとるために似せ刀を造らせせ、殺されそうになった山城屋義兵衛を助け出した。
 前汐崎藩藩主・宗憲は水戸家に毒を盛られ、身体と意識が不自由になったが、意識はもどっていた。水戸家憎しの気持ちを根来・白虎に利用され、白虎は近習・桂木直哉と名乗り宗憲の傍に付いていた。刀を盗んだ根来の背後にいたのは汐崎藩の元藩主だった。京之介は己の遺恨で陰謀を企て藩を危機に陥れた、愚かな所業と言う。
 宗憲は切腹し、京之介は介錯した。京之介は白虎を倒し、数珠丸恒次を手に入れる。義兵衛に折紙と水戸家に強奪されたが久遠寺にもどったという由緒書きを作り久遠寺に戻した。
 火傷に覆われた左馬之介が本田修理が道連れにしたいそうだと命を取りに来る。左馬之介は敗れた。数ヶ月後、噂が広まり本田修理は切腹した。宗憲の願いは叶ったか。

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