往復書簡 湊かなえ
十年後の宿題 高校を卒業して十年目、放送部の仲間だった浩一と静香の結婚式で放送部員が集まった。千秋は行方不明のため連絡が取れなかったが、海外にいて行けない高倉悦子の招待状で出席した。浩一とつき合っていたのは千秋だった。五年前、親の仕事の関係で引っ越し、浩一には留守電に別れの言葉を残しただけで別れた。みんなの中で千秋は顔に怪我をし精神的に弱っているとか行へ不明になってるとか自殺説まである。千秋は悦子の名前で手紙を書き、みんながどんなふうに思っているか調べる。
二十年後の宿題 三十八年の小学教師を定年退職をした竹沢真智子は毎年連絡をくれる高校教師になっている大場淳史に、気になる六人に会い今どんなふうに暮らしているか調べて欲しいと頼む。六人は真智子の夫が川にはまった子を助けに行き亡くなった時に一緒にいたこどもたちだった。最後の一人は淳史が付き合っていた彼女だった。淳史は気がつかないまま会う。何も言わないで立ち去った彼女との別れだと思った。先生から彼女に渡してと頼まれた手紙は、彼女が結婚を意識する大場のことを先生に相談した手紙だった。夏休み二人で先生の見舞いに行く予定になった。
十五年後の補修 結婚する予定の純一と万里子だった。純一が海外協力隊のボランティアで海外に行く。二人の文通が始まる。十五年前の事件の話になる。康孝が一樹と万里子を呼び出し倉庫に閉じこめ火を付けた。純一が駆け付け万里子を助け出したが一樹は亡くなった。康孝は校舎の屋上から飛び降り自殺をした。ということになっていた。万里子は思い出した。康孝に万里子と一樹は閉じこめられた。一樹が万里子に飛びかかり、万里子は角材で一樹を殴り殺してしまった。純一は万里子を助け出し、タバコの火がついたと思われるように火を付けた。康孝を呼び出し火事はお前の所為だと責めた。康孝は飛び降りた。
一年後の連絡網 別のボランティア隊員の手紙の中に純一と思われる隊員の所に、日本から彼女がやってきたというような内容の話があった。
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