2017年9月8日金曜日

新・戻り舟同心② 雪のこし屋橋

新・戻り舟同心② 雪のこし屋橋 長谷川卓
 文化三年 1806年
 長尋掛り 迷宮入りとなった事件を専らとする掛り同心 二ツ森伝次郎69才、染葉忠左衛門69才、河野通之助64才、女装好きの花島太郎兵衛
 近 盗賊・鬼火の十左一味におspわれた畳表問屋「布目屋」の一人生き残りで永尋掛りの詰所の留守番と賄いを任されている。
 一ノ瀬真夏 永尋掛り同心、父親・元八丁堀同心一ノ瀬八十郎も同じだが下高井戸に道場を持っている。真夏は南町奉行所年番方与力・百井亀右衛門(泥亀)の養女になり内与力・小牧壮一郎に嫁ぐことが決まっている。真夏は盗賊・夜宮の長兵衛の娘だった。本人も知らない。知っているのは八十郎、伝次郎、伝次郎の息子・新治郎、伝次郎の孫・正次郎の四人。
 染葉鋭之介 染葉忠左衛門の息子、例繰り方同心
 御用聞き 鍋寅(鍋町の寅吉)73才 寅吉の孫・隼、半六、多助、元掏摸の安吉
 悪い奴 四年前に若狭屋の主人と小僧の末吉、夜鷹の桑が殺された事件を調べる。夜鷹の元締め・銑右衛門に協力を仰ぎ、三人が殺される一年前に御家人の金貸しが殺されたのと同じ犯人だと知れた。御家人・難波騏一郎。金貸しを殺した所を桑に見られた。一年後、難波は桑と出会い、殺したところに若狭屋が居合わせ一緒に殺された。伝次郎たちは難波を殺した。
 雪のこし屋橋 病気の母親が診察を拒否され受診することなく亡くなった梅吉は、受診拒否した医者・諸川寿庵の家に火を付けた。直ぐ火は消されたが、梅吉は遠島と決まった。梅吉は九才のため十五才までお預けになった。近所の者が島で生き抜けるように飯の炊き方から竃屋や、鋳掛け屋、左官、大工、薬草、実のなる木の育て方を教えていた。しかし、梅吉は寿庵を殺した。
 栄七は三十三才の時、研師の弟弟子を突き飛ばした弾みに頭を打ち殺してしまった。八丈島に送られた。四十一才の時、赦免された。それから十九年、紙屑買いをし、溜まったお金は、名前を出さずに殺してしまった弟弟子の家に師匠に届けてもらっていた。栄七名前を変え幹三郎は捨て子を拾った。勾引かしに間違えられたが、捨て子と判り、幹三郎が育てることになりそうになった時、弟弟子の息子に刺された。
 幹三郎の身体がぴくりと震え、沈んだ。・・・これは死亡か?自分がぶつかった出刃を持った子どもがしたことを知ったためか。死亡だな。
 浮世の薬 新治郎の妻・伊都と息子・正次郎が町へ出た。伊都が怪しいという者を尾行する。古狐の藤助一味八名を捕らえ、次の押し込み予定の店に入り込んでいた者も捕まった。
伊都と正次郎には褒めの言葉ではなく新治郎からの叱責があった。伊都と正次郎が町に出る。伊都は弥次郎兵衛になっているとか、少し悪、とか人相見を師ながら歩く。
 鼻水垂兵衛 花島太郎兵衛は女装で男を助けた。自分の家に運ぶ。里回りの仁助だった。斑蜘蛛の与平の小頭。与平親分が小頭の峰吉に頼まれた長次に殺された。峰吉は与平の倅・一蔵に仁助が与平を殺したと吹き込まれた。仁助は昔の知り合いを頼った帰り道を襲われたということだった。太郎兵衛は伝次郎たちを呼ぶ。八十郎と真夏は仁助の守りに護る。太郎兵衛の家は襲われるが八十郎等が守る。仁助が頼った専次郎と峰吉らが襲ってくる日が分かった。奉行所と近所の大名にも声をかけ、明かりと囲みを用意した。一網打尽。専次郎の土蔵の土の下の遺体のことを話た。峰吉が連れてきた用心棒は八十郎の剣友だった。枝村修蔵、一対一で枝村は倒れた。
 《播磨屋》一件 例繰り方で『御仕置き裁許帳』の補修をしていた正次郎は同期に出仕した梶山倫太郎が足の骨を折ったので代わりに、小伝馬町の牢屋敷を見回る役目に就く。
 牢内で左兵衛が死んだ。二日後浩吉が五十敲きで牢を出た。左兵衛が牢に入ってすぐ長屋が荒らされた。商家の主姿の浩吉をみた正次郎は尾行した。
 伝次郎等は左兵衛を調べた。左兵衛にも浩吉にも関係した岡っ引きの滝造がいた。滝造と播磨屋にカマを掛け様子を見る。旅支度の滝造と浩吉を捕まえる。播磨屋の息子は首を吊った。主・為右衛門は伝次郎に連れられて行った。息子が妾を殺し、隠すために滝造に頼んで妾の女中を殺した。左兵衛に見られて強請られたので浩吉に頼んで殺していた。

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