2022年3月9日水曜日

脳科学捜査官真田夏希⑨

 脳科学捜査官真田夏希⑨ 鳴神響一
 〜ストレンジ・ピンク〜

 神奈川県茅ヶ崎署管内で爆破事件が発生。人的被害はなかった。直後、容疑者と思われる人物からSNSに犯行声明が出された。心理職特別捜査官・真田夏希は捜査本部に招集され、ネット上で容疑者との接触を開始した。

 捜査一課情報係・別所美夕が夏希の助手に付いた。
 第二、第三の爆発が起こる。誰もいない畑地等で小さな爆発なので人的被害はない。夏希は犯人の意図が読めない。犯人は社会正義を実行するという。
 夏希は朧げながら三ヶ所の共通点を見付ける。新駅の開設予定地周辺の土地だった。東海道新幹線、相模鉄道いずみ野線、上瀬谷ライン等。織田理事官は口外しないように口止めした。
 ハッピーベリーのアカウント用いて犯行メッセージを投稿していたのは村井貞夫と判明した。村井貞夫捜しが始まる。村井貞夫は夏希が導き出した犯人像とは違った。村井貞夫は行方不明だ。
 
 内部監査の用意のため美夕は捜査本部を離れる。加藤は村井貞夫の実家に行く。夏希を誘う。アリシアも行くことを聞き、夏希も行く。東丹沢の入り口、廃村になっていた。村井がドヤに残したタオルの匂いから村井の実家を見付け、中に白骨化した遺体を見付けた。村井は死んでいた。

 ハッピーベリーは村井ではなかった。第四の犯行も起こった。不動産開発に影響を及ぼすようになっていた。夏希は犯人の目的が不動産開発に関わる人々にダメージを与えたいこと、営利目的の不動産開発に対する怨恨による犯行だと言った。
 村井の知りあいでアパート経営詐欺で訴え最後には自殺した親子・赤川元文がいた事がわかった。元文の息子・元哉・彫金家が警察に相談に行っていた。受け付けたのは別所美夕だった。夏希は思い出した。美夕の指輪を。葡萄のつるをかたどったピンクオパールの指輪。赤川元哉の手彫りだった。

 ピンクベリーからのこれが最後の警告だ、というメッセージが来た。真田と織田は不動産会社の社長宅へ急ぐ。大庭城趾公園で美夕が社長の首にナイフを突きつけていた。夏希の説得で美夕は投降した。織田が連れて行く。美夕は夏希に織田をいつまでもほっといちゃいけないとアドバイス。織田さんは鈍感だからという。

 織田と上杉は、背乗りと警察内部の者の犯行を考えた時、十年前の香里奈の事件を調べ直そうと思った。
 

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