2022年3月16日水曜日

隠密船頭〈八〉 金蔵破り

隠密船頭〈八〉 金蔵破り 稲葉稔 

 江戸が野分の被害を蒙る。沢村伝次郎は江戸湊で見付かった男の死体を調べる。持ち主不明の船が見付かる。蝋燭問屋が押し込みに襲われている。関連を調べる。

 深川中島町の自身番に詰めている新太は、野分の翌朝、船と死体と金箱を見付けた。引き上げられたのは金箱だけ、死体と船は流された。自身番の詰めていた三人は、金箱を隠した。
 自身番に船と遺体の捜査に現れたのは、伝次郎を助けている粂吉。米倉清三郎という男だった。伝次郎たちも、清三郎という男たちが船を探していることを知った。
 自身番の三人は金箱を移動させる。清三郎たちが追う。墓で二人が殺されていた。新太がいなくなった。新太が二人を殺して金箱を奪ったように見えた。新太と清三郎の関係を調べる。
 清三郎の家から金箱が見付かった。家を見張る。
 新太が見付かった。金箱を埋めるために墓に行った時、清三郎たちが現れ、新太はすぐ逃げた。後がどうなったか全く分からないと言った。野分の朝、金箱を引き上げ中に四百三十両入っていたと言った。
 清三郎たちが家に帰ったところを捕まえた。清三郎たちは山城屋に入り錠前を破り金箱を盗んだ。金箱を船に積んだところで長五郎が裏切り船を漕いで逃げた。聞き廻った。番屋の三人の様子が変だった。三人を追いかけ金箱を取り戻したが、入っていたのは石だったという。
 伝次郎たちは入っていた金を捜す。自身番の金箱を隠していたところにあった。殺された年長の徳兵衛がやったことだった。金は山城屋に返された。

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