あなたと式神お育ています。 仲町六絵
〜京都西陣かんざし六花〜
さくら色、さんご色 清明様がご先祖様だよ。といわれて十九年。大学に入学した桔梗家の総領・桔梗晴人、祖父の言いつけで真如堂に挨拶に行く。疎水を泳いでいる鯉に人間の形をしたものがしがみついている。真言を唱える。ありがとうと言い人の形をしたものが飛び立った。安倍の晴明から見てくるように頼まれた茜が晴人に声を掛ける。式神を持たないか?西陣で待っていると誘われる。西陣のかんざし六花に行く。晴人が地蔵堂に手を合わせると地蔵様がきらきら喜びなさると言いながら白い狐がついてくる。観世稲荷の御使い水月だった。もう一人、黒い着物の常照皇寺の九重桜の精だった。振り袖と呼んでから毎年見に行っていたのに今年は行っていない。次の休みに行くよというと帰って行った。
薄紅色の珊瑚がかんざしから深い紫色の組紐のブレスレットに変わっていた。晴人の式神を作る、苗床・依り代だそうだ。左手に付ける。
イワナガ様と少年 晴人の一人暮らしの部屋にハル坊と言いながら水月がついてくる。お目付け役だという。晴人は今日のこと、式神のことを祖父に話す。祖父の所に茜がいた。晴明が弱くなった結界を張り直すために地鎮祭をしようとしているそのさきがけ祭に弟子が必要だという話しをビデオ通話で話した。
桔梗家から南天家に婿入りした、祖父の弟の息子・昌和おじさんが二十五年前、大好きな先生が病気で学校を辞めると聞き、神様に治してもらうから大丈夫と言った。神様が怒り、桔梗家、南天家、柊家、傍流三家のこどもたちは二十才前後になるまで神仏の声や姿を捕らえられないよう呪いをかけた。昌和はイワナガ様に謝りに行く。三家の子供たちが神の威を勝手に借りて発言せぬようにしっかり教育することを約束させた。
晴人は式神に「さんご」名付けた。イワナガ様もさんごやと呼ぶ。みんながおまえが生まれるのを待っているよという呼びかけに「みんな」と答えた。イワナガ様は昌和も式神を持てと言ってくれた。
木ぼっこと少女 晴人は元は唐破風屋根の銭湯だったカフェで、歌い踊っているこけしを見た。晴明神社でこけしを探している少女にあった。少女は星乃、土湯温泉からきていた。木ぼっこを捜している。晴人がカフェで見たこけしだ。閉店間際のカフェで木ぼっこに話しかけ星乃の元に連れて行った。連絡を受けた両親が迎えに来て帰った。
神様との再開 茜の店で、晴人のさんごが現れた。さんごは水月とそっくりだった。白い尻尾の先、耳の先、前掛けが薄紅色だった。目は青。安倍晴明にも会った。清明公と呼ばず、晴明さんと呼ぶようにする。
昌和も訪れ、式神の依り代を作る。薬玉の花かんざしにした。昌和は、角の生えた赤い仮面を着けた神様に「神の呪いの匂いがする。土の気を持つ者よ、京を守れ」と言われた。その神様を知りたいというと、晴明は昌和が式神を生み出した時分かるだろうと言った。
昌和は式神に楽土と名付けた。京の地と京北を守りたかった。楽土が現れた。赤べこならぬ白べこだった。右手に八坂神社の神紋が現れ、牛頭天王が現れた。
雪国の陰陽師と茶室の神 六花で晴人がさんごに餅を食べさせていると昌和が来る。楽土を呼ぶ。
柊那月が会津からやって来る。那月の依り代を選ぶ。月と兎の髪飾り。穂波と名付ける。小さな茶室神が現れる。
茶室神と茶人狐 からくさ図書館に行き、会津漆器を手に取り茶室神は少しおおきくなった。夜桜の棗の写を見、元気になり大きくなる。猫サイズになった。
吉報庵で宗旦狐に会い、前の大きさに戻った。
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