向島・箱屋の新吉 新章〈二〉 忍び寄る危機 小杉健治
桔梗屋の芸者・葉の世話をする箱屋の新吉は、骨董屋の主人を襲って来た賊から守った。守ったつもりだったが、新吉は襲われ続ける。自分が襲われたのではないかと思い始める。
押し込みや辻斬りが頻繁に現れ、定町廻り同心・梶井扇太郎は忙しい。新吉に客の中に不審な者がいないか聞き込みにくる。
襲われたと思った骨董屋・松本屋に話しを聞き、調べる。新吉は梶井にも調べてもらう。また、先日自分が関係した事件のことを聞く。佐渡奉行の大畑が勘定奉行の座を狙って笠木を殺したと思われたが、大畑は笠木の後の勘定奉行になることが決まっていた。笠木が死んだことで空くはずだった役は何だったのか。町奉行ではないか。辻強盗や残忍な押し込みは町奉行の解任させるためではないか。
辻斬りや押し込みが無くなったは、自分を襲って来た者が怪我をしたからだと新吉は言う。襲われるたびに相手の腕が上がっていた。二人が働けないので押し込みも辻強盗も中断している。
次期町奉行は笠木と八巻があがっていた。笠木が亡くなり奉行は続行した。松本屋は定九郎一味の盗人宿だった。松本屋の主人は八巻の後押しで主人になった。主人の叔父・孫兵衛は定九郎で、一歩遅く、殺されていた。黒幕に会ったのは定九郎だけで、松本屋の現主人は黒幕のことは知らなかった。 押し込みと辻強盗は解決した。
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