2015年6月26日金曜日

浪人・岩城籐次5

浪人・岩城籐次5 江戸裏日月抄 小杉健治
 人を殺して江戸から逃げていた菊三郎が江戸に戻っていた。同心・稲瀬新之助を手伝い籐次も探す。東海道で助けられた若い医者になりすまし江戸に入っていた。姿を見られた元情婦を殺し、見破った元中間を殺し、世話になっている医者家族を殺し、一人暮らしの小間物屋を殺し、大名の中間になっていた所を捕まえる。
 曰くあり気な道場の師範代に籐次は雇われる。甲府勤番を一年で抜け出し盗賊になっていた元直参・大坪恒太郎が息子・恒吉を探し出し、道を踏み外しそうなところを剣を通じて基に戻そうとしていたのだった。籐次のおかげで恒吉は真面目になり、父の友達と名乗る大貫源太夫と孤児のお救い小屋を作ることになった。
 五年前に道場破りに負け、道場を飛び出した脇谷伝一郎と道場破りをした野末市次郎の試合が行なわれた。相打ちのような試合後、脇谷伝一郎は肥前平戸藩松浦家の剣術指南役に仕官が決まった。野末市太郎は自首し、人を殺した事は首謀者に逆らえなかったということで遠島になった。

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