2015年6月11日木曜日

札差高田屋繁昌記一

札差高田屋繁昌記一 若旦那の覚悟 千野隆司
 寛永5年 1793
 新五郎は突然の兄の死により、札差高田屋の手代から若旦那になる。お金を借りに来る人たちに兄・惣太郎のように接しようとする。元兄嫁・鶴に聞く。鶴は実家・家禄二百五十俵旗本都・築貞右衛門に返されていた。貞右衛門に刀の柄巻の内職を斡旋していた。
功刀には店の看板書きを斡旋していた。
 宇梶彦之助が娘の病のための金を借りに来る。貸せなかった。盗みでもと言う宇梶が気になり、調べる。新五郎は宇梶が赤蠍の巌七と配下の勝三郎と三人で常州屋の寮を襲うところを阻止し、宇梶が新五郎と巌七を取り押さえるようにする。宇梶は押し込みに誘われ仲間になった振りをし賊を捕らえるために力を貸したことになった。新五郎の道場仲間徒目付・門伝丞之助がいた。
 新五郎に縁談が持ち上がる。相手・峯山佳世には好きな人・添田瀬次郎がいた。瀬次郎には昔からの許嫁・佐土原花帆がいた。花帆には大垣家との縁談があった。佐土原は浪人を雇い、瀬次郎に公金二十両を横流しするよう強請りを掛けていた。それらを宇梶に調べてもらった。
門伝から、情報を得る。添田家と佐土原家が息子と娘を許嫁にした時は同じ御勘定組頭だった。佐土原が先に勘定吟味役に昇進し、今、両家は西の丸御小姓番組頭を争っている。佐土原には三千石大垣弾正が付いていた。
 瀬次郎が浪人と会った時一緒にいた佐土原家の用人杉野も捕まえ口書きを取り、添田の当主に全てを話す。
 峯山家との縁談がなかったことになり、添田家共々お礼をということになり、調べ挙げた宇梶に何か役を付けて欲しいと頼む。宇梶に三百俵高の日光御奉行支配組頭と言う役が付いた。引っ越し料五十両が付いた。
 商人だけが儲かるのではなく、客と共に栄えることが大切をもっとうに札差しとして一人前になる覚悟を決めた。

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