2015年6月9日火曜日

町医北村宗哲

町医北村宗哲 佐藤雅美
 宗哲の父・野村道玄は奥医師だった。宗哲は庶子で、11才で母が亡くなり父に引き取られる。15才で医学館に通い、16才で寄宿寮に入る。18才で父が亡くなり医学館をやめる。江戸一番の顔役青竜松の息子を殺してしまい逃げまわる。十六年後、宗哲と黒門が手を組み青竜松を隠居させた。十六年間の渡世人としての逃げる生活が終わった。35才芝神明前に医院を開く。妻・きぬ 7,8才時に宗哲と結婚の約束をしたと言い、宗哲の帰りを待っていた。36才できぬと結婚
 欠落女みつの錯乱 宗哲の所に通っていた商家の女房が宗哲のところで出会った侍といい仲になり病気が治った。欠落しようとしたが、侍は逃げた。侍は寺に盗みに入っていた。
 小塚原の蝉時雨 黒門と宗哲を助けてくれた半五郎が胸を患って江戸に来た。半五郎を殺しにきた者を殺してしまい処刑される。
 お向かいさんの鬼瓦 昔馴染みの法印多紀楽真院が紹介された。商家の女房が病が治らないで困っていた。宗哲が養子主に覇気を出し、店の鬼瓦を向かいの鬼瓦を睨むように返ることを進言する。治った。
 ひょっとこの亀 岡っ引きの和助が青竜松の元子分・蛇陰のお蝶に人質にとられている下っ引きを取り返して欲しいと頼みに来る。宗哲が中に入っても無駄だった。宗哲はひょっとこの入墨の男・亀蔵の病を治していた。亀蔵はお蝶を殺した。宗哲への恩返しと龍の入墨がひょっとこになってしまった、復讐だった。
 跡をゆるりと尋ね三省 多紀楽真院の紹介で三省を知る。三省の実家は下総佐倉十一万石の堀田家の領内にある。三省は断わりも無く杉や桧を二百本伐られ、墓を荒らされたと訴えた。正しいが、堀田家に言えないので借り牢にいた三省は逃げた。甲府にいると手紙をもらう。
 御医師村田宕庵の逆襲 元奥医師・村田宕庵は河内山宗俊ばり。宕庵が揚り屋に入り、宗哲が人を殺したことを言うぞという。元奥医師が横領で訴えられたり、悪事が次々に出てきたり、出雲松平の当主の名が出ては困る。牢でコッソリ殺された。
 縫物ぎらい 宗哲の妻・きぬの兄・空曇の医院が困っていた。娘が借金のために寺に妾奉公に行かされる。宗哲は借金を払う。空曇は縫い物嫌いで頭が痛くなる娘の病を直し、また患者が来るようになる。
 泡と消えた巨万の富 労症に鰹の頭の黒焼きが効く。という風聞を広め金儲けを企んだ半兵衛と池田新右衛門。仕込んだことがバレて大目玉。


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