入り婿侍商い帖(三) 女房の声 千野隆司
関宿藩の飛び地の米も横流しされていることがわかる。藩士の朽木は顔を知られているので、角太郎が調べに行く。検見前に代官所へ運ばれず、直接どこかに運ばれていた。酒になりもうすぐ出荷されるようだ。代官の息が罹らないもので船の荷物改をする。陸地を使った抜け道がある。一歩違いで江戸まで行ってしまう。江戸の町を探索していた嶋津はからの倉庫を知っていた。倉庫前に船があり、佐柄木屋も代官所手代も捕まり、検問を受けていない酒樽と帳簿外の酒樽三百樽の受け取り証、関宿藩江戸家老監物兵庫之助の署名入りの書類、横流し米の利益配分の綴りが押収された。
「大黒屋は藩領都賀郡内下神村年貢の仕入れを許す」の書状を受け取る。一村分だが、藩御用達になった。
お万季は少し声がでるようになった。
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