八州廻り桑山十兵衛4 江戸からの恋飛脚 佐藤雅美
高原新田笹の沢の霊風 人が殺されたという噂を聞き、鬼怒川の高原新田に行く。お姫さまと腰元と侍、五人の一行が四人になり、侍の死骸をかたずけ黙っていろと一両貰った村人が、そのことを知り分けろといってきた中附・馬借を殺してしまった。という話し
白旗村への誘い 十兵衛は熱海で戸田信濃守の奥方に会った。自称信濃守の奥方が般若院から五百両騙りとった。偽物の奥方を捕まえるよう命令される。十兵衛は足取りを追って白旗村へ行く。戸田家の男の子を産んだ娘・さよが宿下がりを命じられ帰って来ていた。安房里見氏の流れを汲む郷士・白旗の登勢がさよのためにやったことだった。さよの産んだ子は跡継ぎとなり登勢のやったことは戸田家が五百両を返し、揉み消された。登勢は十兵衛にあなたに追って来てもらいたかった。と言った。
五つで売られた飯盛女 銚子でお姫さま一行の噂を聞く。十兵衛は江戸の左官の姪・きよが飯盛奉公を何故しているか調べに来た。きよ5才時は伊平次→10才時・半三郎→15才時水戸の惣兵衛→現在・利右衛門と移る。半三郎は飯盛りに出されても文句はありません。という証文を出す。伊平次は里子に出すため預けたという。伊平次は手首から先が無い。半三郎は証文を偽造していた。百両を出させきよを自由にした。
白旗村に寄ると登勢に縁談があり江戸へ行ったと言われる。二階にあげて階段を外された気分になる。
江戸からの恋飛脚 賭場争いで一人が殺された。殺した方が三十両を出しはなしが付いたはずが、殺された男の姉がお金を要求する。十兵衛は裏で賭場からお金を吸い上げている役人の帳簿を抑え、役人から三十両を出させ姉に渡し、帳簿は返した。
江戸から登勢の手紙が着く。江戸に逗留している屋敷を知らせてきた。
十と一つの花嫁の涙 江戸で、登勢に縁談が持ち上げっていた。千八百石の御遣奉行堀主水だった。見合いをしていた。そういうことでしたら、思いきります。どうかお幸せにと十兵衛は言う。
登勢の甥・格之進が養子に入った先で女郎・ちせを殺したと捕まっている。嫌疑を晴らして欲しい。と頼まれる。十兵衛は犯人は格之進が厠に行っている間にちせがため込んでいるお金が目的で忍び込み気付かれて殺した、鍛冶屋の19才の吉次だと判った。離縁だという義父に対して、11才の花嫁が私と添い遂げて欲しいと訴えた。
隠すより現る 会津に行く途中で、助蔵に女房を勾引かされたと藍染め職人が言う。助蔵に連れて来るように命じた、岩槻丿友五郎がバレるのを恐れて心中に見せかけ殺した。十兵衛は友五郎を斬り捨てた。
勢至堂宿の馬泥棒 会津若松に水戸家の血を入れ、水戸家が乗っ取ろうとしている。と家斉は疑い、調べることになった。絵師を装い会津に入る。当主の母親が江戸にいる事を突き止める。元御庭番に出会い話をした。会津を出る時、囲まれてしまった。馬に飛び乗り逃げ、宿に飛び込み戦闘用意をする。馬泥棒と追いかけてくる。火をかけるという。
思い立ったが吉日 粂蔵と五兵衛の機転のおかげで五十人の助っ人がきて助かった。
十兵衛は格之進から登勢のことで話がある。と手紙をもらった。
会津若松の当主肥後守は水戸から美濃高須松平に養子に入った恭之丞の子供だった。会津の先先代の隠し子として届け出た。母親共々会津に引き取られた。もう一人の子が時々姿を現す姫様だった。母に会いたいと言う願いを持っていた。水戸の殿様が亡くなり、乗っ取りもなくなった。
戸田信濃守が会津若松之江戸家老に桑山十兵衛が領内に行くことを洩らしたことが家斉の耳に入り、戸田がお役御免になった。
登勢が家に来る。登勢は桑山十兵衛と言い交わしていると縁談を断わった。
思い立ったが吉日、祝言をあげる気になる。
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