2017年1月20日金曜日

鷹野鍼灸院の事件簿

鷹野鍼灸院の事件簿 乾緑郎
 五月女真奈23才 鷹野鍼灸院の助手になって三ヶ月 応療が多い鷹野の留守番。中三の時に骨肉腫に罹り、整体に行っていて見付かるのが遅く、判った時には切るしかなかった。左足比田膝下は義足
 鷹野夏彦 鷹野鍼灸院の院長 鍼灸師の師匠・湊驚作の娘・育美と結婚していたが、息子・耕太のアトピー性皮膚炎の治療方法の食い違いで離婚していた。育美は再婚し、友野を名乗る。
 はじめての患者さん 真奈は妊婦さんだと思って施術していた。鷹野は想像妊娠だと見抜いた。真奈は不妊治療をすることになった。
 置き忘れのペン 真奈の足は義足の足首が痛くなる。鍼灸学校の同期・小日向友梨が勤めている鍼灸院のことで相談してきたので予約を入れ治療に行くことにした。義足であることを問診票に書かなかったため口論になってしまい、友梨は真奈が同期で学生時代からの友人であることを打ち明けた。友梨は破門になり、医院を辞めた。友梨は先生から交際を迫られていた。
 左足は鷹野に治してもらう。飛び込みで患者が来る。助手をする。途中で口出ししないように言われる。施術途中で痛い痛いと騒ぎ出した。しびれて動けない、救急車を呼んでくれ。針を抜くように言う。鷹野は刺していないけど、何故痛いのか警察に行って聞いてみる?と問いかける。嫌がらせは、峰岸さん・友梨の勤めていた診療所の流派の関係者かな。これっきりにするように言う。
 失われた風景 NPO系 無医村ボランティアの鍼灸のイベントに参加した。鷹野推薦の棚橋先生は視覚障害者だった。二十四金の鍉鍼を持っている木崎がいた。患者さんやボランティアの学生の中にお金を抜き取られたと言う人が現れた。木崎が鍉鍼が無くなったと言う。棚橋が階段から落ちた。真奈の話を聞いた鷹野は何もかも判ったようだ。
 棚橋の見舞いに行くと木崎が練習に来ていた。鷹野医院に帰ると、ボランティア会場で出会った仁科が来ていた。鷹野はもう、お終いにした方が良いと言っていた。お金を抜き取ったのは彼女だった。棚橋先生を突き落としたのも仁科さんだと言う。二人で棚橋先生の所に行く。鷹野と棚橋は師匠が同じだった。出会ったのは初めてだった。鷹野は、棚橋は晴眼者だろうと言う。それで師匠の所は破門になったようだ。仁科さんの盗みを見てしまった。それで突き落とされた。木崎さんの鍉鍼は純金ではなく、メッキだった。落として金がはがれた。それで亡くなったと言った。棚橋の目のことは家族も知らない。木崎が一本立ちした頃・棚橋は出頭し、障害者年金詐欺罪と身体障害者福祉法違反と針師灸師免許取り消しの行政処分が下がったことが発表された。
 それぞれのすれ違い 真奈は近所のおばさんの奨めで甥という動物病院の先生と見合いをした。ダックスフントの腰椎椎間板ヘルニアの治療に針治療を教えた。お礼のネックレスを一緒に買いに行き貰う。先生はダックスフントの飼い主に告白していた。
鷹野の元妻・友野育美が耕太の治療に来ていることを知る。耕太は奈々が再婚相手だと思ったようだ。
 マクワウリを刺す 友梨は母校で教員資格をとることにした。勉強を怠け卒業した学園長の息子が副院長になていた。去年の九月に外科処置をするような事故があったことが明るみに出た。厚労省の調査が入った。いろんなことが起きていた。入学式にスピーチするはずだった峰岸が断った。代わりに鷹野が行く。鷹野は付属治療院で行われたことを隠さず発表した。消去するはずの物が残っていること、立ち合うはずの先生が立ち会っていなかったこと、杜撰な刺絡治療をしていること、それらが映っているDVDを立花さんが持ち出し、立花さんはDVDを取り返えそうとした副院長に殴られ意識不明であること。全て暴露した。君たちの一番の師匠は患者さんだ。と締めくくった。副院長・手島保が逮捕された。立花は意識が回復する。
 

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