リンカーン・ライムシリーズ⑫ スティール・キス ジェフリー・ディーヴァー
殺人犯を追跡中のアメリア・サックスの目の前で、エスカレーターが通行人を巻き込んだ。アメリアの救助活動もむなしく男は死亡する。殺人犯・未詳40号も逃走してしまう。
リンカーン・ライムは自分が細かいところまで調べ追い詰めて暴力的重罪犯棟に入れられ獄死した男が、それほど凶悪犯ではなかったかもしれないことが判明した。ライムはニュウヨーク市警の顧問を辞任した。エスカレーターで死亡した男の妻からの依頼で民事訴訟のために事故を捜査する。ライムの弟子として車椅子の元疫学研究者・ジュリエット・アーチャーが参加した。
エスカレーターは何故不具合を起こしたか。いろんな物に内蔵されているコントローラーを遠隔操作で誤作動させることが出来る。それを告発した男が、スマートコントローラー内蔵の商品、商品を買った人のデーターを手に入れてから未詳40号に殺されていたことが判った。エスカレーターは誤作動を起こすようにコントロールされ男を巻き込んでいた。
アメリアとリンカーンは一緒に調べ始める。未詳40号はヴァーノン・グリフィス35才と判った。ミニチュア家具やドールハウスを作り販売していた。
アメリアの調べを阻止するためにヴァーノンはアメリアの母親を狙った。母親の殺害は阻止したが周りの車が誤作動を起こし追いかけることが出来なくなった。
ヴァーノンは付き合いのあったアリシア・モーガンと一緒に逃げようと誘ったが断られ殺そうとした。
エレベーター事件、ガスコンロ事件、電子レンジ事件の被害者と温水器の被害者候補の共通点を探る。燃料系統の欠陥があることを知りながら欠陥車の製造、宣伝、販売に関係した人物と彼らを法廷で守った弁護士だった。アリシアがこの事件の被害者だと判明した時アリシアがリンカーン宅を訪れた。リンカーンとアーチャーの二人しかいなかった。アリシアはヴァーノン宅から押収した証拠品を無くすことと、二人を殺しヴァーノンの仕業に見せかけるために訪れた。アリシアがリンカーンに向かって行った時、後ろからアーチャーが花瓶でアリシアを殴り助かった。アリシアはもうすぐ立てなくなり、病が進むとリンカーンと同じような症状になるため車椅子機器の使用訓練をしていた。
アリシアは亡くなった夫、自分も身体に火傷をし家族を壊した者に復讐したかった。ヴァーノンが人を殺す所を見たことで犯人にしようと思い、脅迫と誘惑で思い通りに動かしていた。
ヴァーノンは弟の墓でアメリアに捕まった。アリシアに頼まれて殺したことと、弟の日記に出てくる高校時代の友達たちを殺したことを告白した。ヴァーノン兄弟はマルファン症候群・背が高く、釣り合わない体重、細長い手や足のために苛められていた。ヴァーノンはアメリアに「未解決殺人事件のミニチュア演習」という本をプレゼントしたがった。警察規則で受け取りは出来なかった。
アメリアの元恋人・ニック・カレッソが刑務所から出てきた。ニックは商品や処方薬を輸送中のトラックを襲い強奪するグループの首謀者だった。逮捕される直前の事件ではトラックの運転手を拳銃で殴打し大怪我を負わせていた。ニックは弟・ドニーがやった事でドニーや母親のために罪を被った。ドニーも母親も亡くなり、罪を被る必要がなくなったので無実を証明しようと思うと言う。サックスは捜査資料を取り寄せ渡す。ニックは捜査資料を読み込み自分たちが強奪した物を横取りした人物を探した。百万ドルの融資契約書、返済免除の合意書、強奪事件の犯人はドニーと噂を流す事、売りに出ているヴィトーリオの店を掲示額の半額でニックに売るように圧力をかける事、友達フレディの始末を要求した。
ニックはアメリアに捕まった。アメリアはニックの携帯に追跡アプリをインストールしていた。フレディを始末をしようとした男・セヴィルを捕まえた。セヴィルが強奪はニックだったと証言した。アメリアはニックをフレッド・デルレイ・FBIのベテラン操作官に預けた。デルレイの秘密情報提供者になった。
ブラスキーはリンカーンが拘っている人物が危険人物であったことを証明しようと一人で非公式に潜入捜査をしていた。しかし判った事は、ドラック依存症の新しい治療薬を売り出そうとしていたクリニックの後援者だったということだった。しかし、リンカーンは、追求すべき事を追求しないということは出来ないという結論に達し、刑事事件の顧問に戻っていた。
アメリアは発砲したために三ヶ月の休職になった。母親の看病が出来る。そしてリンカーンに頼まれ、エレベーターで亡くなった男の家族の民事裁判の手助け・資料提供をしただろうと思う。
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