おれは一万石② 塩の道 千野隆司
塩仲買問屋伊勢屋の跡取りが倒れてきた醤油樽に当たり亡くなった。高積み見廻り与力・山野辺蔵之介はただの事故ではないと調べる。都倉屋が伊勢屋を手に入れようとしていた。
高岡藩井上家継嗣となった正紀は、高岡の河岸場を貸し舟運送の中継地にしようと考えた。行徳の桜井屋長兵衛が伊勢屋の借金を払い下り塩仲買の世界に踏み込み、高岡に塩の中継地をつくることにした。納屋を建て初めての塩を高岡に運ぶ途中、邪魔をしようとした者に塩を盗まれる。予想していた正紀は、盗人を捕まえる。高岡藩国家老・園田頼母の腹心・鵜川がいた。都倉屋の番頭・弥七がいた。塩を高岡に運び入れ、盗賊が捕まったことを聞いた園田は切腹した。
捕まった弥七が、都倉屋の命令で伊勢屋の運ぶ塩を横流ししたこと、醤油樽をわざと倒したこと、実行した杵蔵を殺したことを白状した。弥七の家族は高岡へ移り住んだ。
正紀の母が、正紀のために京が手放した黒の茶碗の代わりに大切にしていた赤の茶碗をよこしてくれた。正紀は京に茶を点てた。
内田康夫没 83才
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