2018年3月26日月曜日

御家人無頼 蹴飛ばし左門⑩

御家人無頼 蹴飛ばし左門⑩ 天下頽弊  芝村凉也
 三日日左門は甲府にいる。前回左門を狙った者がいる。左門は御番入りし、勤番組頭付き同心と言う臨時の役を貰い、待機している。屋敷は勝手小普請街にある。左門の扱いが判らなかった。
 左門を付けた山本は左門に見付かり、自分と左門の関わりを白状する。左門と関わりが出来左門の留守にでも貫太の話し相手をしに左門の屋敷を訪れるようになる。甲府の細かい情報を左門に伝える。
 左門は甲州金山方御用係・折口に付いて調べ始め、金山方御用係付という役に付いた。前に術を左門に封じ込められた鬼界坊がいた。左門に金山の話をする。折口に付いて江戸へ行く。江戸の札差が、左門に折口は札差になろうとしていることを調べて欲しいと頼みに来るが、左門は札差の間者にはならないよと断る。
 赤鞘組を潰すことになり入金の道を断たれ、自分の意の侭に動かす人員も断たれた老中は、左門を甲府に飛ばしただけでは収まらず、赤鞘組との連絡役だった先手弓之頭・籐東主税に左門のそ始末を命令する。甲府に帰った左門の屋敷が襲われ、貫太を守った山本を斬られ、鬼界坊は術が復活し、賊は取り押さえられる。賊は幕府先手弓之頭籐東家の郎党だと判り、身分を示す書状が出てきたことで江戸に送られることになる。籐東は牢内で自死した。老中の取り調べには至らなかった。
 左門は江戸へ呼び出され折口の調べの証人にされた。目付けの二村の知恵で左門と折口の顔を合わす。裏切り者という折口に左門は滔々と折口の悪さを述べる。詐欺のような行為で人夫を集め、金を集めたこと。出るはずのない金が出ればとただ働きで人が死んでいく。集めた資金と公儀からの金で札差を始める手筈を整えていること。鑽鉄運送場というのは川から遠い札差を始めるための場所だ。二村に聞かす。そんな場面に、百姓の格好をした人を斬り慣れた男が現れる。死者四人、負傷者七人折口の始末のための刺客だった。左門が相手をし、取り押さえられた。折口は赤鞘組を使っていた老中に対抗する老中が作ろうとしていた資金源だった。刺客を取り押さえるために無腰の左門に脇差を与えた忍びは将軍の信任厚い「兵衛殿」の使う忍びだった。折口の計画も終わった。
 左門は呼び出され、若年寄と「兵衛」の前で赤鞘組を使っていた者も折口の後ろにいた者も「兵衛」も同じような者だと言い放つ。「兵衛」は飼いならすのは無理だったと思った。
おっ放っといてくれという左門の御番入りを取り消し江戸の小普請に戻した。元に戻った。
 老中間の争いに巻き込まれる前に戻ったが、借金がなくなり、金を都合してくれる札差がいて、左門に味方するものが増えた。

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