2018年3月21日水曜日

紅雲町紅緋屋こよみ④ 糸切り

紅雲町紅緋屋こよみ④ 糸切り 吉永南央
 紅雲町にある五軒だけの商店街ヤナギ・ショッピング・ストリート。ヤナギ全体の改装をすることになった。草は電気屋の前で車に撥ねられそうになり改装を知った。設計は注目の若手建築家・弓削真澄だった。誰にも知られていないが、弓削は所有者・水上手芸店の千景の前の婚家に残してきた娘だった。千景の九十を越えた姑は、昔あった辰川といううどん屋さんの壁を壊すことに反対だった。壁には古谷敦の絵があった。壁の絵は残されるように改装することになった。古谷の絵を買い取りたいというジェイコブソンという収集家がいる。草は辰川屋の息子が子どもの頃の作文を読んで、古谷の香炉がセメントで設置された灯籠になっていたことが判った。最終的にはジェイコブソンの元で保護されるようだ。

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