2018年3月27日火曜日

帳尻屋仕置〈六〉 吠え面

帳尻屋仕置〈六〉 吠え面 坂岡真
 旗本心中 十二年前、五百石の八男16才が五千石の養子になり藤枝外記教行となった。養母の親戚筋の二千五百石から妻・みつが嫁いでくる。三男一女が生まれた。外記は吉原に思う女・綾衣が出来た。吉原の火事が起こり外記が綾衣等を助け出したことで、みんなに知れる。醜聞のため藤枝家は外記を無用と見なす。綾衣の身請けが決まった後、二人が会っている所を身請けする呉服屋石川屋撫兵衛に見られ二人とも殺される。二人は心中とされ外記は名無しとして処分された。外記の味方・藤枝家の用人が綾衣と心中したことにし、切腹した。忠兵衛たちは、綾衣の抱え主と石川屋と同心と藤枝家の叔父と養母を殺して帳尻を合わせた。
 生き肝 内蔵を抉られた少女の死体の側に絵蝋燭が手向けられた事件が起こる。絵蝋燭の絵を描いていた浪人が自決を装い殺され九才の娘・佐枝が連れて行かれる。蝋燭を立てていたのはりんという、五右衛門一座の座頭・五右衛門に拾われ育てられた女だった。庄内藩酒井家の側室・萩の方の子どもの病の治療のため、医師・魯庵が生き肝を欲しがった。お金を借りている五右衛門は子どもを誘拐し生き肝を取っていた。りつは子どものため蝋燭をお供えしていた。りつは忠兵衛を子どもを閉じこめている堂宇へ案内する。七人の子どもを助け出す。忠兵衛等は大目付の使者を名乗り酒井家の中老・船形大膳に会い、佐枝を助け出し大膳を自死に見せかけ殺す。五右衛門と魯庵も殺す。魯庵は江戸の闇の元締めの一の子分・白澤の実弟だった。佐枝は旅籠・弁天屋に預けられ、りつは旅籠弁天屋で下女奉公する。
 吠え面 帳尻合わせの仲間・くうの結婚相手・三太郎の父親・五郎吉は元錠前破りだった。三太郎を勾引かし五郎吉に昔五郎吉が作った二重錠前を開けさせた。三太郎は殺された。五郎吉も自死した。後ろでやらせているのは白澤だと思われたが、白澤は手伝い金を貰っただけだった。白澤と白澤の情婦であり舐め猫である女と晒し場に背中合わせで晒された。白澤の後ろに仙次がいた。仙次は元盗人忠兵衛の弟分だ。仙次は忠兵衛を町役人に売り、捕まった忠兵衛は仙次を庇い仙次を逃がし、与力に使われるようになった。弱かった仙次は大坂で非道になって戻った。

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