2018年3月16日金曜日

仕舞屋侍④ 夏の雁

仕舞屋侍④ 夏の雁 辻堂魁
 地酒問屋の三雲屋の内儀・曾良の依頼で七雁新三を調べることになった。
 七雁新三は曾良の双子の兄だった。岩槻領勘定方・日比野信兵衛の息子と娘27才。
 信兵衛は二十一年前、酒造業者に造石高以上の酒作りに目をつぶり運上冥加を懐にいれていたことで不正を咎められ駆け落ちをはかり、増水した川にはまって亡くなったことになっていた。本当は不正を知った信兵衛が江戸へ知らせに行く途中、勘定奉行配下に殺されていた。殺す時に利用された船頭の昔はなしを聞いた新三が船頭を殺したことから復讐が始まる。
 息子・太一郎は商家から逃げ出し、柿右衛門に育てられた。娘・紗衣は吉原へ売られ曾良と名乗り、花魁になり七雁となった。三雲屋に身請けされた。
 新三は料亭に集まる勘定奉行配下を殺すつもりだった。仲間の三雲屋もいる。曾良は新三が復讐をしないよう止めて欲しいと頼む。新三は復讐を果たす。すぐ、江戸を出た。生き残った三雲屋は二十年間の不正を訴え出た。三雲屋は岩槻領の店を失った。勘定奉行は切腹した。

0 件のコメント:

コメントを投稿