紅雲町珈琲屋こよみ② その日まで 吉永南央
如月の人形 フリーの設計士・田沼と田沼が預かっている姉の息子・タケルと小蔵屋の草と久美はお近づきになる。姉の離婚話しが決着するまで預かっている。
カメラマンを夢見ていたが諦め温泉施設で働いていたが、温泉施設が亡くなりライカを売ろうとしていた男がいた。ライカを売ったが母親が買い戻し、男の手元に戻ったようだ。
久美は田沼とタケルと三人でスキーに行く約束をするが、タケルの母親が離婚を止めることにしたようで、タケルは母親の元に帰った。田沼とのスキーの約束も無くなったようだ。
卯月に飛んで 青砥27才が福祉作業所のキャンドルを店に置いてくれないかと来た。草は断った。近くに雑貨屋「つづら」が開店した。キャンドルも置いてある。ラジオで言っていた。
温泉旅館に行くとライカの男がいた。田沼が声をかけて雇ってもらえたらしい。ライカの男は、自分と田沼の違いを田沼は本来の仕事以外の物にも心を配るという。
草は小蔵屋に置いて欲しいと送ってくる瑠璃釉の青い器に蝋を入れ「水の明かり」と名付けて夏限定で売り出すことにした。定価四千二百円、たんぽぽの取り分は一個千円
明日の結婚式の引き出物が10個欲しいと若い二人がやって来る。つづらで頼んでいたが数が足りなかった。お金を返したらいいでしょと言われていた。青砥が小蔵屋なら何とかしてくれると教えてくれたと言う。青砥の娘三才がまだ歩けないという。
水無月、揺れる緑の 三十年振りに会った彫刻家の須ノ内ナオミが草に頼んできた。病気のようだ。アメリカに移り日本に帰らないだろうと言う。三十年前にアメリカへ旅立つ日、旧講堂の窓辺にいたのは誰かを知りたいと言う。私の油絵の道具を焼いたのは彼女だから。
ナオミが高校生の時に草と出会った事件を思い出し、ナオミの同級生に尋ねる。ナオミと連絡が付かなくなってナオミの妹・洋子に相談する。日本に馴染めず、がんじがらめにする母から逃げるように離婚し自国に帰ったの父の肩を持つナオミは、母に嫌がられ、洋子は何でも母の言う通の子だった。今では洋子も判っている。洋子が油絵道具を燃やしていた。近くのに深緑色のスカーフを置いた。そしてあの日、自分の仕業と判るようにスカーフを振った。
駅の西口の円形広場にナオミのグリーンフラッグ__始点もしくは終点__と言うタイトルだった。全く同じ物がニュウヨークにもある。
葉月の雪の下 香菜というカレー屋さんを知った。店のオーナー香菜さんは脅迫され小遣いを渡していた。詐欺まがいの方法で安く店を手に入れたから仕方ないと言っていた。香菜の友人の江戸小紋の職人・妹尾を紹介される。妹尾の雪の下の夢と名付けた着物を借り、香菜に着せる。香菜に妹尾は全てを知っていると教える。見守っていると。
神無月の声 香菜の不動産屋と同じようなことが何度もおこなわれていた。香菜は加害者側で心を痛めているが、つづらも同じらしい。前は和菓子屋だった。温泉施設も、ナオミと同級生の寿司屋も引っかかったようだ。
師走、その日まで ダイデン不動産と長要とマルフジが不動産詐欺に近いことをしていると気が付いた。マルフジの会長は昔、草と見合い話しがあった人で、呉服屋をしていたのでアルバイトをしたことがあった。草は断るために無断欠勤をした。会長は藤原一京、草は会いたいと一京の居場所を探す。一京は血がつながらないが次男を愛した。自分から離れていかないように東京の彼の職場まで手を延ばした。次男は田沼だった。田沼は長要とダイデンとマルフジの仲がおかしくなるように画作していた。草が一京と会っている所に田沼にナイフを突きつけた男が入ってくる。田沼を刺す直前一京は田沼を庇い自分が刺された。田沼の思い出「ぼくを探しに」を一京が大事にしていること、田沼が作ったモビールを一京が持っていることを知る。
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