アンティーク弁天堂の内緒話 仲町六絵
谷崎紫乃には「ふることぎき」と呼ばれる力がある。紫乃にそのことを教えてくれた祖母は亡くなった。古い者が持つ過去や心を知る力。紫乃は声が聞こえる。
京都の久多で育った紫乃は高校に行くために京都市内で下宿をする。祖母の残したガラスの白鳥に小さな人が乗っている。見えているのは紫乃だけのようだ。現れた弁財天に教えられた骨董店に行く。白鳥に乗っていた人は、盆の送りの日に祖母が亡くなり帰れなくなっていた。骨董店の店主・影近洸介が送り出した。
骨董店はアンティーク弁天堂。影近洸介は、竹生島の弁財天の孫だった。紫乃は弁天堂でアルバイトをすることになった。洸介は紫乃と呼ぶ。
野良猫を守っている猫神さまがいる。弁財天と鏡を通して話が出来る。洸介と手を繋ぐと持ち主や昔の光景が見える。
茶箱のこころ 買い取りをお願いしたいと持ってきた客の抹茶腕が寂しいと言っていた。桜柄の茶碗を「春の茶箱」にセットした。茶碗の桜の花が増える。御客様は売らずに全てを買って帰る。家を離れた娘に送る。娘さんから礼状が届く。
茶人はめぐる 紫乃は洸介と東寺の弘法さんに行く。洸介は茶ノ木人形を買う。利休が切腹前に細川三斎に送った利休が彫った茶ノ木人形だった。細川家の私立美術館・永青文庫へ行き、茶杓「ゆがみ」と対面する。洸介は道を付けた。後日、永青文庫の近くに住む男が、茶ノ木人形を買って行く。
魔女のチャームブレスレット イギリスからのお客様。ブレスレットのブックロケットを開けると妖精たちが現れ歌う。彼女は魔女のお孫さん。
閻魔大王と愉快な仲間たち 毎日眠れない里沙を弁天堂に連れて行く。里沙には牛頭と馬頭が付いていた。閻魔大王を盗もうとしている者がいる。寺の住職に閻魔大王を渡さないと村の人間に危害を加えると脅している。聞いた洸介は牛頭馬頭を連れて湖北へ行く。閻魔大王を手に入れた泥棒が警察のパトロールに引っかかる。窃盗団は捕まった。
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