2022年6月12日日曜日

花咲小路三丁目のナイト

 花咲小路三丁目のナイト 小路幸也

 三丁目中通りにある喫茶ナイト。夜のナイトではなく騎士のナイト。以前のナイトが閉店し、孫の円藤仁太が始めたのが16年前。夜しか営業していない。レンタルビデオとレンタルレコードの店。VHSのビデオレコードのレンタル。もう一つの営業品目・夜中の相談事。
 円藤仁太46才  若白髪の長髪を束ね着流しに雪駄。謎の男、高校中退後海外を放浪。
そんなナイトに、仁太の甥・堂本望24才が帰ってくる。小学三年から四年間をここで過ごした。食事や飲み物を提供するようになった。花咲商店街の店の売りと被らないようにすること。仁太からの注意。

 轟クリーニング店の息子・駿一21才が、相談にくる。八才年上の八才の娘がいる人を好きになり関係ができた。結婚したいがどうしたらいいものかというものだった。仁太は夜半にも関わらず彼女に会いに行く。三日後、駿一と彼女と娘を店に呼ぶ。クリーニング店の父母も映画でも見ませんかと呼ぶ。当人と家族たちの話しが出来る場所と時間を提供する。自分ができることは、艀役、橋渡しぐらいかなと言う。

 十才位の女の子が、父が来ないと言ってナイトに来る。後からここに居た。とミケさんが来る。父親が亡くなり、保険金が入ったが、母親は夜も仕事をしている。六家族が入居する橘荘に住んでいる留依ちゃんのところへみんな代わる代わる様子を見に行くようだ。父親だと言っていくのは誰か。はっきりしなくてもいい父親が亡くなりいない、来ないと認識すればいい。北斗の彼女・バークレーの奈緒に相談する。橘荘に住む、中学生のショーヤのためのバースデーパーティのためカレーの出前をすることにした。橘荘のみんなに。手伝いに北斗、奈緒、望、ミケ、淳ちゃん刑事さんがいく。それまでにも、望は古い物を写真に残したいからと橘荘等の写真を取り歩く。北斗には隠しカメラを取り付けて欲しいと頼む。仁太はカメラの取り付けは失敗しても良いと思っていた。みんなが橘荘を調べている風、刑事の淳ちゃんまでもが出てくることがきっかけになれば良いと思っていた。父親が留依にもう会いに来れないと言ってくれればいいと思っていた。

 昔の知りあいが、高校生と話しが出来る店か、お触りバーか、そういう店で、娘の友だち・こずえちゃんと会ってしまった。彼女は娘と家に来る。二人で会いたいと言ってくる。娘と一緒のとこへ偶然を装って現れる。どうしたら良いだろうと相談に来る。こずえちゃんはマンション矢車に住んでいる、内藤こずえ。仁太は、セイさんにここずえのことを聞きに望を行かす。こずえには、喫茶ナイトでのバイトの誘いをする。知りあいには、毎週一回ナイトに寄るように勧める。ここで会えばいい。こずえの父母は離婚していた。母は大学を勧める。自分は早く働きたいと思っている。こずえはナイトで勉強もでき、夕食も食べて帰る。こずえは喜んでバイトに来る。母親にも近くで安心だと礼を言われる。こずえは接客業を完全にこなす。

 淳ちゃん刑事とミケの結婚話が進まない。淳ちゃん刑事は、結婚し、ミケがあかさかを継ぐと言う話しに乗り切れない。ミケは音楽もするし、絵も描く。プロの腕前だ。あかさかを継いで、したいことが出来なくなることをミケのためにならないと思うと仁太に言う。ミケの昔のこと隠れた仕事の話もする。隠れた師匠の話しもする。
 権藤の娘・渋沢ユイが、仁太を追いかけている。何故?みんなの疑問。

 淳ちゃん刑事の祖父・あかさかの主人・辰さんが倒れた。

 望は店に飾る花を見に行って店の模様替えをすることを思いついた。一日で終わるように、みんなに手伝って貰うことにした。
 午後、淳ちゃん刑事、ミケ、こずえ、美代、権藤親子、北斗、克己、メイ、仁太はミケにレイアウトを頼む。
 終わった。みんなを座らせて、仁太は、望にあかさかを継ぐように言う。ミケにはナイトを自由に使え。望はあかさかの辰さんの味を継ぎあかさかに住む。淳とミケはここの二階に住む。辰さんの了解は得てあると話す。
 仁太はエアガンでリンゴを五発縦に打ち抜くパフォーマンスを見せ、椿学園の寄宿舎に住み、射撃部のコーチをすることにしたと話す。ユイはそのために仁太を追いかけていた。

 ニューヨークで、仁太と権藤の出会いは、銀行強盗の人質になった時だった。権藤が刑事だと分かり撃たれる寸前、仁太は落ちていた拳銃で犯人たちを撃った。殺さなかった所為で、一人の犯人の撃った玉で、傷ついた人質が下半身不随になってしまった。自分が殺さなかったために車椅子生活の人ができてしまったことで、仁太は世捨て人のような生活をしてきていたのだった。権藤はみんなに話しをした。


 
 

 

 

 

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