明治十八年に開店、坪内逍遥が名付けた。
冬 百科事典は赤ちゃんと供に クリスマス、青とすずみが箱根の新婚旅行から一日早く帰ってくる。
隣の曙荘の学生・増谷裕太が「故事類苑」六十冊版全巻揃いで売りに来る。お金に困ったら売れと祖父に言われていた本だった。十万円で買った。そんな時、カフェに籠に入った赤ちゃんが置き去りにされた。籠の底に百二十一万円が入っていた。赤ちゃんの名はサヨ。サヨちゃんのお母さん・玲井奈は「はる」にいた。玲井奈の若い夫・夏樹は借金があり返すために玲井奈の母親におれ俺詐欺を仕掛け百二十万円を手に入れた。玲井奈はお金を返すために、家出した母親の所に行けず、兄・増谷裕太の所に来た。兄を待っている間に夏樹が来たので赤ちゃんを残して逃げた。はるで我南人と会った。裕太の持ち込んだ本は、刳り貫かれ昔の一円札が入っていたことが分かった。それを売ったお金で夏樹の借金三百万円は支払われた。
紺は仏間でサチと話す。研人はサチの姿が見えるようだ。玲井奈は昔の秋実とよく似ているらしい。
春 恋の沙汰も神頼み 花陽は藤島に家庭教師を頼む。花陽は中学生になる。藤島は藍子が好きです。亡くなったお姉さんに似ているから。花陽は藤島さんが好きです。藍子を好きなマードックさんに藤島は宣戦布告。
東京バンドワゴンの常連さん、元刑事の茅野さんが藤島さんを知っていました。藤島のお姉さんを殺した高木が刑期を終えて十六年ぶりに出てきます。良からぬことを考えてるらしい藤島を止めに男たちが揃って行きました。そして事件を担当した茅野と橋田が、事件の顛末を話します。高校生と先生の愛しあった末の心中事件でした。生き残ってしまった高木は認めず長い刑期になったのでした。
亜美とすずみが妊娠三ヶ月です。予定日は十月。一週間違いです。
夏 幽霊の正体見たり夏休み 花陽と研人は、亜美の両親・脇坂の親戚がやっている葉山の旅館へ遊びに行った。葉山で知りあいになったおばあさんから本を預かって帰って来た。
藤島の会社の別荘を足がかりに、我南人の知りあいの三崎龍哉に手伝って貰っておばあさんを探す。おばあさんは死んだことになっていた勘一の妹、淑子でした。終戦の年、アメリカ兵と結婚して駆け落ち同然でアメリカへ行っていた。勘一が妹に持たせた本だった。十二年前に日本に帰っていた。もう長くないからと会う機会をうかがっていたと言った。
我南人の子供の頃の近所のお姉さんだった正枝さんが、孫が変だと心配してくる。娘が離婚して連れ帰って来た孫だった。転校生で研人と同級生だ。一緒にいて研人は驚いた。光輝君は自分で物語を考え、トリックを考え、本当に出来るか試していた。もっとゆったりした気持ちで光輝君に接するようにと助言する。光輝君が持っているアメリカの古い雑誌を売れば光輝君の生活費と大学までの教育費を賄えると教える。
「はる」の真奈美さんを助けるために池沢さんがコウさんという板前さんを紹介した。
秋 SHE LOVES YOU 十月 秋実さんの七回忌です。門外不出だった目録、呪いの目録と言われた。堀田家の災厄の元凶と言われていた目録を持ち出し、ガンで余命二ヶ月と言われた秋実が呪いを引き受ける。禁を破った私の余命が延びれば呪いに勝ったことになるでしょう。二ヶ月と言われた余命は半年。呪いは消えたよと言ってなくなった。真っ暗になった堀田家で亜美さんがここを立て直すと言ってカフェを作った。
四日後、藍子とマードックさんはイギリスへ行く日。
都内で起きた事件現場に店の目録があった。警察が検印を探しに来た。男たちは事情聴取ために警察に行く。家捜しが始まる。すずみが産気づく。荷物を持って花陽とパトカーでサイレンを鳴らして病院へ行く。亜美も陣痛のようだ。藍子が一緒にパトカーで病院へ。遅れそうな藍子を藤島が空港に送る。三台のパトカーに追いかけられた?
二人は同じ日に女の子を出産した。
一週間後、藍子は帰って来た。マードックの親も一緒に、結婚式をあげ、二人展の開催のためイギリスへ行った。
紺と亜美の娘・かんな。青とすずみの娘・鈴花と名付けられた。
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