栄次郎江戸暦27 獄門首 小杉健治小杉健治
弥三郎が引回しののち獄門になる。栄次郎は、弥三郎は殺された二人を殺すための立て篭もりだったと思っている。犯人は他にもいた。だが誰も捕まらず、殺された二人の身元もわからないままだった。
弥三郎は引回しの途中、栄次郎にこへいじと口を動かした。
身元が判らないまま商家によって殺された二人は埋められた。栄次郎はこっそり墓を暴き中に誰もいないことを突き止めた。二人は公儀お庭番だったからこっそり弔われたと思う。
コヘイジを探す。弥三郎を知っているという行商人と出会い、弥三郎が付き合っていた女と会う。小平次を知っていた男も現れる。三人によって振り回されるが、栄次郎の命を狙われることで、三人が囮であることに気がついた。
命を狙ってきたものが、大名・瀬尾家の者であり関係しているのは、老中・稲葉越前守であることが新八の調べで判明した。
瀬尾家は国元の藩主の弟が、塩の精製技術を開発した。稲葉越前守は技術を教えて欲しい。瀬尾藩主は、息子の嫁に将軍の姫を迎えたかった。村上藩の若殿に将軍家から姫が嫁ぐことになった。稲葉は村上の息子を悪く伝え反対する。村上家の若殿は落馬し、大怪我を負った。殺されたお庭番の二人は、村上藩の若殿の落馬事故を調べていた。
弥三郎は世話になっていた塚本家の再興を願って、全てのこと瀬尾家と稲葉との密約の証拠を残した。それらを預かっていた喜平は塚本家の再興ではなく、塚本家と一緒に取り潰された上役の家の再興をさせたくなかった。それが死んだ塚本源次郎の望んだことだから。
喜平が、弥三郎が残した人質立て篭もり事件を引き起こした理由や、お庭番を殺した理由、老中と瀬尾家の密約を記し残した物を提出し、取り調べが行われる。
評定所で始まる前に、老中は罷免され、瀬尾藩主は、藩主の座を下りた。
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