2022年6月13日月曜日

花咲小路 三丁目北角のすばるちゃん

花咲小路 三丁目北角のすばるちゃん 小路幸也

 麦屋すばる18才、高校を卒業、花咲小路商店街の唯一の専用駐車場・カーポート・ウィートの経営者で管理人。母親はすばるを生んだ後家を出た。祖母が亡くなり、父も亡くなり、一人になるすばるのために、祖父は整備工場を辞め駐車場にした。祖父が亡くなり家を潰して駐車場を広げ、シトロエンに住んでいる。隣の田沼質店の娘・瑠夏とは同級生。祖父と整備工場をしていた弦さん。隣の元岡そばの家に住んでいる。
 亡くなった父親はシトロエンに乗り移り、ラジオを通して話が出来る。

 駐車されたクラウンのトランクに人がいる。すばるの同級生・本条美和子だった。父親の不倫を疑い行動を調べていた。去年もここに来ていた。すばると瑠夏も一緒に調べる。にらやまで花束を買い、白銀皮革店で財布を買う。北斗に頼み防犯カメラでハイツ花咲に入ったことを確かめる。後日すばると瑠夏は女性を訪ねる。彼女は本条パパの腹違いの妹だった。本条パパの父親は、妻と子供を捨てて、結婚していた。五年前、父親が亡くなる前に、腹違いの妹が困窮していることを伝えた。一年に一回、彼女の誕生日にプレゼントを持って会っていたのだった。すばるたちは美和子に言わなかった。でも父親から聞いているだろう。

 ラーメン屋さん南龍のレシートを持って来る人。ラーメン五杯も食べるのか不思議。彼は南龍の主人の兄だった。高校時代に家出して三十八年、謝って会うようになった。彼は陶芸をしていて、南龍で使って貰うためにラーメンどんぶりを作っていた。

 不審のお客さん。田沼質店により、自動車の中に管理人さんへという手紙を残している。探し回る。中村という父親の教え子だった。担任だった中学二年の時、中村君の父母が交通事故で亡くなった。彼を探すために同級生だったにらやまの花乃子さんの結婚相手・稲垣信哉と父を交えて話す。中村は車の整備士になっていたが、工場が倒産していた。中村はネコみたいな女に怒られて駐車場に戻って来た。行くところが決まるまで弦さんと一緒に住むことになった。

 古いベンツが置き去りにされた。三日たった。弦さんがベンツのドアの中に何か入っていると言う。権藤刑事が写真を持って探していた男がベンツを取りに来る。人が違う、怪しいベンツということでどうしようかと悩んでいるところへ淳ちゃん刑事が来る。男は淳ちゃん刑事を見ると、ちょうどやってきたピンクの軽自動車の中へ女性をお仕込み自分も乗り込み逃げた。すばると瑠夏と淳ちゃん刑事とシトロエンに乗り込み追いかける。権藤さんと連絡を取りながら、ベンツの扉の中を調べて貰う。車は女性の家で止まり、首にナイフを付き着けられ車外に出てくる。やってきた権藤刑事と淳ちゃん刑事が説得する。権藤の合図で、仁太がエアガンでナイフを落とした。男は捕まった。権藤は男を連れて行った。シトロエンの中で女性の事情聴取が行われた。ふたりは、仁太のことは内緒だと言われた。

 帰ってからシトロエンのラジオの父親と話す。すばるは気がついていた。女性はすばるの母親だった。向かいのお弁当屋さんの経営者だった。

 カーポートは弦さんと中村さんに任して、すばるは父親とシトロエンで旅をする事にした。瑠夏も行く。落ち葉が目立つようになったころ旅から帰った。二人が将棋好きで、縁台将棋が出来る駐車場で有名になっていた。
 修理工場は無理でも簡単な点検とか修理とかタイヤ交換が出来る駐車場もいいかもと考えている。
 すばるは喫茶ナイトの開店間際は手伝いに行く。喫茶ナイトの新しい名前は、「Knightart」ナイタートになった。

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