浪人榊市之助 宝剣始末 小杉健治
文政六年 1823年
信州高尾藩上松家七万石
市之助は江戸屋敷で盗まれた「白鷺の短剣」を取り返すという密命を受けた。世継ぎの証明に与えられた物だった。盗賊白波郷太夫が盗んだと置き文があった。
市之助は上司の妻と密通し、逃げたことになっていた。市之助は浪人になって江戸深川に潜伏する。深川芸者・小よしを介して連絡が来る。小よしも知らない事だったが、市之助に密命を下した国家老・平木主水は小よしの父親だった。
市之助が白波郷太夫だと思っていた、献残屋・加賀屋清兵衛の店に泥棒が入り、二人が殺され短剣が奪われた。もともと白波に盗まれたとして次席家老・国枝甚左衛門一派の江戸留守居役・大島龍之介が加賀屋に預けていた。名を騙られた白波郷太夫が加賀屋から盗み出していた。全てを知っている加賀屋が邪魔になった大島は加賀屋を殺そうとする。市之介に助けられ、全てを話す。
自分の正体を知られた下駄屋の隠居・白波郷太夫は小よしを殺しにかかる。父親から小太刀と柔術を習った小よしは白波一派五人を捕まえる。白波から短剣の隠し場所を聞きだしていた小よしは市之助に知らせ、市之助は短剣を上屋敷に届け、信州に旅立った。
一ヶ月が経った。榊市之助は今度のことで武士がいやになった。と暇を取って江戸に帰って来た。
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