しゃばけシリーズ12 たぶんねこ 畠中恵
跡取り三人 若旦那たち三人が、両国で仕事をして稼ぐ競争をすることになった。娘を持つ親が三人の出来を調べたかったようだ。一人は呼び込みを、一人は人捜しを、一太郎は見世物小屋で菓子売りをする。途中で、大貞親分と子分の意見の食い違いが表に出にらみ合いになり二人の兄やが飛び出し中止になった。
こいさがし 母・おたえの友達の娘・於こんが長崎屋で花嫁修業をすることになった。見合いに興味を持ち付いてゆく。一組は、持参金目当ての御家人と料理屋の娘・尚の見合い、二組目は、河童の志奈に河童の青太郎と油屋の番頭の庄兵衛との見合いだった。御家人は相愛の水茶屋の娘と会ってしまった。ふたりがいる所を尚は見てしまい話しは無かった事になる。河童の青太郎は於こんにアドバイスを受け、志奈に甘い言葉を吐き嫁にする!と言えば志奈は嫁に行く!と納まった。庄兵衛とお尚が会い、二人は結ばれた。於こんはきつねだった。
くたびれ砂糖 安野屋に三人の丁稚が入った。主と番頭たちはお腹を壊して寝ていた。薬を飲んでも良くならない。一太郎は薬を見て何かが混じっている事に気が付く。仁吉が薬を作り良くなる。医者になりたいのに菓子屋に奉公に出された文吉が身体を壊せば家に返されるだろうと思って持っていた薬を、いたずら心で隠した平太、叱られた事に腹を立てた梅五郎がその薬を混ぜていた事が分かった。梅五郎は店を辞めた。文助は医者の弟子になった。
みどりのたま 青毛たちに河童の薬玉を狙われ、若旦那を助けた仁吉は川に落ち記憶をなくした。記憶を無くした仁吉は、仁吉を白沢と知っている老狐・古松と会う。古松は歳を取り過ぎ、茶枳尼天のいる神の庭に帰る力が無くなっていた。仁吉と古松は場久と出会い、佐吉や若旦那と出会うことが出来た。若旦那は河童に貰った薬の中から三日だけどんな病でも治すという薬を古松に飲ませる。稲荷の脇に神の道が開いた。おぎんが見える。古松は帰り、おぎんは一太郎におたえに宜しくと言う。白沢はおぎん様と言い、全てを思い出した。青毛たちは古松のために河童の薬玉を探していたのだった。
たぶんねこ 見越しの入道が持って来た袋にはまり込んだ一太郎は幽霊の月丸と二人だけで放り出された。人殺しをした盗賊を見たため追われる。広徳寺に逃げ込もうとしている途中、兄やたちに見付けられ助けられる。盗賊は捕まる。月丸は広徳寺で出来ることを手伝うことになる。広徳寺には三途の川の銭があるためあの世に行こうと思えば銭に付いて行けば良い。と若旦那は言う。
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