ぜえろく武士道覚書3 一閃なり(上) 門田泰明
町中に一家を皆殺しにする盗賊団、女狐の雷造一味が出没。
胡蝶の女将・高柳早苗に言い寄る村山寅太郎が現れる。早苗に祇園下町代になるよう話しがくる。
松平政宗が出会った娘・津山早苗は32年前藩主青山和泉守に凌辱され書き付けを残し自死していた。早苗の父と許嫁が書面で幕府に訴え、後藩主に斬り付けた。青山は死なず、紀州藩お預けとなり六年後男の子を出産、母親は亡くなり、一ヶ月後青山も亡くなる。生まれた男の子が村山寅太郎だった。
高柳早苗のために江戸へ行こうとした政宗だったが、お忍びで来た大老酒井雅楽頭忠清の二条城での護衛をすることになった。だが、酒井大老ではなく、将軍家綱29才だった。政宗も正三位大納言・左近衛大将・松平政宗と名乗る。甲州一刀流華厳の構えの十六人の刺客が現れる。逆華厳の構えの政宗が十二人を倒し四人は自死する。家綱の腰元三人は殺されていた。二人は一緒に風呂に入る。用意してあった着物は徳川一門の家紋が染め散らされた着物だった。身分を聞く家綱に何も言わず家に帰る。政宗は菊の家紋の着物に着替える。
政宗の屋敷・紅葉屋敷に家綱の護衛・唐木得兵衛の死体が投げ込まれた。
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