2016年2月29日月曜日

髪結い伊三次捕物余話 オール読物

髪結い伊三次捕物余話 オール読物 6月・8月・10月 宇江佐真理
 本になるのを待てなくて読んでしまいました。朝日新聞夕刊連載の「うめ婆行状記」を切り抜いて我慢して読まないで貯めています。一気に読むために。
 
 月夜の蟹 岡っ引きの次郎衛は食い逃げ菊蔵を捕まえた。妹がお金を払い解き放ちになった。菊蔵は水野家の家老見習いに連れ廻されていい気になっている。菊蔵が永井に匕首で切りかかり、家来に斬り殺された。
きいは幼馴染みの嫁入り先の呉服屋に遊びに行った。きいは同心の嫁、おまさは何人も使っている大工の親方の女房、おせんは菓子屋の内儀、おたよは呉服屋の内儀におさまり子供ができた。おたよは箪笥を開け自慢する。おたよは姑に貧乏人は持ち慣れないものを持つと人に自慢する。と言われていた
きいの子・栄一郎が赤ちゃんを噛んだ。赤ちゃんが泣き、謝りながらきいは先に帰る。栄一郎は赤ちゃんが可愛かったのだ。そんなに責められることでは無いと思っている。不破は栄一郎を噛んだ。噛まれれば痛いということを教えたのだという。
 擬宝珠のある橋 伊三次は連れ子どうしで再婚した仲のいい大工の親方の家族を知った。親方・徳次は進吉22才を連れ、内儀・てつは善助22才を連れていた。伊三次は二十年前のてつを知っていた。てつは前夫の父親が蕎麦屋を閉めおいの家に世話になっているのを知り、自分のところに引き取りたいと思うが言い出せないでいた。伊三次は元蕎麦屋の主人の頭を整えた時、蕎麦の屋台っをしないかと話してみた。そしてつにみんなに話すことを進め、舅にも話してみることを進める。子供たちが屋台を造り、一緒に暮らし始めた。
伊三次とお文と吉と三人で食べに行く。
 青もみじ きいとせんは昔世話になったおくに姉の見舞いに行く。精神を病んでいるように見えた。結婚を強いられ、嫌な生活を強いられ、父母にも助けられなかったようだ。
おくにの父親は地方から出てきて商売が上手くゆき成功していた。友達の許嫁と結婚していた。友達も江戸にでて店を持った。友達の息子におゆきを嫁にと言い出され断われなく一緒にさせた。おくには客商売の相手をさせられ、父母に助けを求めても救いだされなかった。
今、向島の寮で好きだった手代に付き添われて療養している。素麺に青もみじを添えることを教えてくれたお嬢さんの思い出が、青もみじが辛いお嬢さんの思い出に変わる。

2016年2月28日日曜日

百万石の留守居役《六》

百万石の留守居役《六》 使者 上田秀人
 瀬能数馬は薩摩藩が出てくる留守居役集まりに出なくていいように、会津藩に使者に出された。猪野たちは会津まで追ってくるが、板野と高山は土津神社で猪野は日光で襲い殺された。
数馬が会津に行ったことが漏れていることがわかり、藩邸に間諜がいることが判る。
数馬が会津に行ったために継室の話で留守居役が大忙しになる。綱吉から継室の話が来そうなので、数馬は帰る早々堀田への貸しを使い、話しを止めるように申し込む。
加賀の琴の命を狙ったのが何者の手か判らない。警護を少なくして襲ってくるものを探ろうとする。

2016年2月27日土曜日

宗元寺隼人密命帖(二)

宗元寺隼人密命帖(二) 幽霊の足 荒崎一海
 文政六年 1823年 初春1月16日
 宗元寺隼人35才 三河の国西尾六万石松平大給の松平和泉守乗寛45の甥 乗寛は去年の秋に京都所司代から老中になる。
 隼人は伊賀忍に命を狙われている。
丹波の国福知山藩三万二千石朽木家の事件の結果、駿河の国沼津藩四万石老中主座水野出羽守忠成の内諾を得、主計頭より千両を得る。小四郎(甲賀忍)に五十両、町方定廻りに二十五両、御用聞きに十五両、弥生(小四郎の妹)に十両分ける。
 京の商家の娘が藩の下屋敷に結婚を約束した小野大助を訪ねてきた。大介は死んでいた。娘は大川に身を投げた。番頭は詳しく聞く、大介は三月に辻斬りに殺されていた。が番頭は四月まで京に居たという。乗寛は小太郎(小四郎の兄)に京のことを調べさせた。家臣の名を騙る不届きものを捜し出すよう隼人は言われた。
 騙りが動き始めたのは老中・土井大炊守が二十日程寝込んだ一昨年十一月頃から始まる。次の老中に京都所司代の乗寛の名が上がった時、内心面白くない者がいた。京の商家の娘に近付き、結婚をエサに持参金を持たせ送り出された途中で持参金を奪い、女を売り、京の商家が知るようにする。家臣が問題を起こし、乗寛の老中は無くなる。という筋書きだった。
誰が大介を騙ったか。何故大介は殺されたか。
 小野大助27は、出羽守の奥御殿で奉公している従姉妹から自分の藩の殿様(乗寛)が老中になれないように自分の名前(小野大助)を騙った悪巧みが進行していることを聞き、剣の道場主・九里伝十郎に伝えてから京都に行こうとした。大野大介の名前を使用するようにしたのが九里だったのだ。知られたことが分かり大介は殺された。京の大介は途中で呼び戻された。娘が来なければ分からなかった事件だった。
全てを知った乗寛は柴崎彦六を国許に行かせ離縁させる。妻・津耶を用人預かりとし、小野家を名乗らせ再興させた。
 

2016年2月26日金曜日

新・包丁人侍事件帖2

新・包丁人侍事件帖2 料理番 忘れ草 小早川涼
 半夏水 文政六年 1823年 皐月(ごがつ)
 大雨が降り出水のため書物が心配で主水は前に世話になっていた天文屋敷にやってきた。金貸し証文を持った多満が殺されそうになる場に居合わせた。主水が居たために殺されず閉じ込められた。惣助たちが見付け助ける。犯人は宇面利三郎だった。行方不明になっている。
 大奥 願掛けの松 新任の御広敷伊賀衆組頭が若く、威張り散らしている。添番にも評判が悪い。願掛けの松に「シュメシスベシ」と彫られるほどだ。惣助と隼人はすぐ動いた。年長の真島が父親の所へ、組頭ではあるが厳しくすると言いに行った。主馬は大奥で毒芹を食べさせられた。
半年以上経って、外記の事件の決着がついた。外記の父は役を退いた。外記に斬られたり、負傷したりした者は改易、知行、禄、屋敷を没収された。新参苛めに加担したものはお役御免になった。
神無月 鈴菜の縁談相手の近森銀治郎が縁談はなかったことに話が付いている。と言いに来る。仲人役の志織の兄も了承していると言う話だった。
 鈴菜恋病 鈴菜は滝沢宗伯の元に通っている。
 麻疹がはやり、鮎川家では小一郎、鈴菜、伝吉、ふき、主水が罹る。隼人の双子の姉弟も罹る。鈴菜の所に毎日大鷹源吾が見舞いに来る。
 麻疹に罹らない薬を高い値段で売っていたものを詐欺で捕まえた。
 源吾が楽しげに人を斬るのに蟠りがある鈴菜だが、業を引き受ける覚悟が無いなら追うのはよせという惣助に、覚悟なぞわかりません。私は源吾さんとともにいたい。と追っかける鈴菜。ゆっくり振り返る大鷹。

2016年2月25日木曜日

希以子

希以子 諸田玲子
希以子 大正三年に五才養母の家と実家を行ったり来たり生活している。西条慎一郎の息子・市太郎と結婚の約束をするが美佐緒に反対される。結婚する。二人子供が出来るが離婚する。九年後満州に行き市太郎と二ヶ月間一緒に暮らす。市太郎は希以子が日本に帰っている間に刑務所に収監されていた。待っていた。市太郎は釈放され日本に帰ってしまった。希以子は北京に行く。実母が亡くなり、異父妹・洋子を北京に呼ぶ。北京で終戦を迎える。
美佐緒 大正三年に十二才 希以子の養母の娘(実子ではなかった)後芸者になり西条慎一郎の後妻になる。
大水、震災、戦争大変な時代を生き抜いた。
昭和37年ごろ 希以子五十過ぎか。福岡から東京に帰る。まり子十才前後か。下宿屋をしながら家政婦をする。市太郎は布団屋さんの婿になっている。
美佐緒がくる。西条は亡くなり、娘は駆け落ち、一人になっていた。

2016年2月24日水曜日

いろは双六屋2

いろは双六屋2 千両花 六道慧
 前にも読んだな。2013年4月20日
伊之助 口入れ屋双六屋の若旦那21才、小平次 双六屋の番頭36もとは侍鳶松 双六屋の手代25もとは泥棒
浜吉 噺家有楽師匠の弟子21才 小杉禄太郎 同心21
文政四年 1821年 
わけありの客 嘘や悪い事を見なかったことにしてはいけないと固く誓っているお加代。
奉公先の二千石の妹尾家の奥様のお相手でやせ細って逃げてきた正助。妹尾家から正助を帰すか、代わりの者を出すか、千両を出すか。と言われている。
笈を背負った絵馬売り・藤吉が笈を預けて行った。近所であった二軒の骨董屋が押し込みに遭ったことと関係ありそうな。
荊組という旗本の若様・高倉右京のやりたい放題。町人を強請りたかり、集めた金を幕閣にばらまく、火盗改まで悪を見ないふり。禄太郎に御留花を強要する。
右京に斬られそうになった子供を守り加代は斬られる。藤吉が加代の捨てた子供の振りで声を掛ける。生きる気になり助かった。
泥棒の引き込み役をした藤吉、心が通った和尚を殺され目が覚め、仏像や掛け軸を笈に詰め逃げ出した。骨董屋の押し込みは掛け軸が目当てで荊組がやらせていた。
伊之助は藤吉の笈をえさに泥棒をおびき寄せる。奉行所の与力佐嶋様が捕らえる。
高山右京をお留花で釣り、妹尾家に連れてゆく。奥様に合わせる。後はどうなったのか。
藤吉の助命嘆願書をだした。

2016年2月23日火曜日

大富豪同心11

大富豪同心11 湯船盗人 幡大介
 知り合いの俳諧師・天竜斎雷翁が殺された。珍しく八巻が調べる。天竜斎は武家からある仕舞屋の湯船を手に入れることを頼まれていた。そのために殺されたようだ。
三国屋の若旦那に頼みが回ってきた。湯船が壊され仕舞屋に住む娘が行った先の湯屋で侍が殺され、娘は姿を消す。
 娘は、七千二百石の旗本の双子で産まれた次男・権七郎だった。当主と長男がインフルエンザで明日をも知れない重篤な状態だが、当主の母親・婆様が次男を嫌っている。本当に娘が次男なのか確かめるために湯屋に誘い込んだのだった。次男を当主にと思っている方も確かめたい。
権七郎は老中・本田出雲守に預けられ、婆様・英照院は尼寺に入った。
英照院の家来は八巻卯之吉を始末する気だ。そこに天満屋が現れ手を結びそうだ。
大名家の三男・梅本源之丞 大検使・庄田朔太郎 美鈴 銀次 荒海三右衛門 由利之丞

2016年2月22日月曜日

剣客大名 柳生俊平

剣客大名  柳生俊平 将軍の影目付 麻倉一矢
 享保十五年 1730年 九月朔日
 一万石柳生藩主養嗣子柳生俊平32は始めて登城する。江戸城菊の間で伊予小松藩主一柳頼邦と筑後三池藩一万石藩主立花貫長と懇意になる。
柳生俊平は桑名藩久松松平の十一男で、父親が越後高田に移封、九年前柳生に養子に入る。豊後臼杵藩主稲葉恒通の娘・阿久里と妻帯していたが、柳生に養嗣子となることになり離縁させられた。
 俊平による将軍家剣術指南の初稽古の後、吉宗より影目付の立場で真相を見極めて貰いたいと言われる。大岡越前守忠相を紹介される。柳河藩の大名火消しと町火消しの争いを調べることになった。
 町火消しと大名火消しが喧嘩し、大名火消しが屋根から落ち死亡した。町火消しが島流しになっていた。本当は大名火消し・黒木宅馬が大名火消し・久木与七郎を突き落としていた。久木は柳河藩主立花貞俶の側近で藩主の弟・茂之一派の企みを内定していた。茂之は柳河藩を乗っ取るために着実に事を進めていた。俊平は命を狙われた時に使われた短筒を証拠に抜け荷を糾弾することにして大目付・大場忠耀と柳河藩に乗り込む。
 貞俶は三月の謹慎、茂之は切腹、となった。
 小野派一刀流・浅見道場の伊茶が柳生道場へ来た。伊茶は伊予小松藩主一柳頼邦の妹だった。浅見道場の門弟が俊平を襲い、伊茶が俊平の助太刀をしたため伊茶は浅見道場へ通えなくなり柳生道場へ来ている。俊平は話し合いに浅見道場へ行くが練習試合になり、集まっていた一刀流を悉く倒し、浅見平九郎も倒す。
 

2016年2月21日日曜日

はぐれ名医事件暦(二)

はぐれ名医事件暦(二) 女雛月 和田はつ子
 師走厄 大釜屋六右衛門が、里永克生が医者として泊まり込んでいる時に殺される。家族が殺したくて薬を用意している矢先だ。
 岡っ引き・猪之助親分が番頭・佐助を犯人らしく追いつめる時、娘たちは自分が殺したという。
 犯人は猪之助だった。克生が証拠を出して行く。猪之助は六右衛門の息子だった。母子とも捨てられたから。
 雪中花 大坪藩西山摂津守友成が身請けした八千代花魁を斬り大川に投げ捨てた。八千代花魁を姉と慕うおふゆに頼まれ克生と小田孝右衛門は幽霊騒ぎを利用して友成を隠居するように誘導する。
 初午忘れ 克生と孝右衛門と倉本和之進は川に身投げしようとする娘を助けた。与太者から助けて貰った武士・津山と恋仲になり津山の水村藩の御用達のようになった油問屋「相模屋」は水村藩の言いなりに借金をしてまで油を収めた。借金のために父は首を吊り、母は病で亡くなった。という話しを聞き、水村藩と油代を貸した油問屋の罠と見破る。与太者にからまれた時付いていた手代を付け、中田屋が手代を殺そうとした時にお縄にした。水村藩に行く。津山が家老を殺す。克生は津山を倒す。油は相模屋に運ばれ証文は燃やされた。
 女雛月 若い娘が出産後すぐ殺され川に流された。武家奉公を紹介され行方不明の娘が多数いる事がわかった。紹介者をたぐると殺されていた。克生は奉公に行ったとされる旗本に日参し殺された娘のことでと言い置く。克生は狙われた。相手は克生の兄・正左衛門だった。兄の息子・小太郎が亡くなる。正左衛門は大目付と克生に手紙を残し切腹した。
三千石の平松、五千石の木村の言われるままに動いていた。他の旗本も詮議された。
克生は医術を極める旅に出た。

この後、はぐれ名医診療暦に続くのだ。

2016年2月20日土曜日

御広敷用人 大奥記録(九)

御広敷用人 大奥記録(九) 典雅の闇 上田秀人
水城聡四郎は清閑寺中納言・竹姫の兄に吉宗と竹姫の婚儀の許可を取り付けに京に来た。承諾を得、一条兼香の力添えも得られ、近衛家も承諾した。
吉宗から継飛脚を使って名古屋へ行くよう命令が来る。すぐに出立する。
伊賀の藤川義右衛門は京の闇の組織使って水城等を襲う。悉く討ち果たす。大宮玄馬が傷を負った。山崎伊織は藤川義右衛門に蠱毒の術とやらを掛けられたようだ。
京の闇の顔役が江戸の闇に手を伸ばそうとしている。

2016年2月19日金曜日

極楽とんぼの飛んだ道

極楽とんぼの飛んだ道 平岩弓枝
 私の半生 私の小説

2016年2月18日木曜日

私立探偵・小仏太郎

私立探偵・小仏太郎 函館殺人坂 梓林太郎
 小仏太郎 元警視庁捜査一課刑事
警部安間から依頼で参考人として移送中に緊急避難のため解放したが戻らない田宮英明37を探すことになった。八年前、警察官だった父を強盗犯に殺され、復讐として捕まった強盗犯を銃殺した疑いがかけられていた。事件直後から失踪、漸く捕まった矢先の逃亡だった。
恋人・淡谷利音が函館にいる事が判り函館に行く。利音が付き合った元恋人二人・織井と勝村が八年前と三年前にそれぞれ殺されていた。
織井が持っていた地図を参考に張り込み、利音を見付け、田宮を見付け、安間に連絡、田宮を捕まえる。田宮は復讐も利音の元恋人の死にも関係が無いと言い張る。利音が函館で子供を産んだため、父親の葬儀後すぐ函館に行ったという。
銃は織井の東京の家から見付かった。八年前、利音が田宮と付き合っていることを知り、田宮に嫌疑が掛かるように復讐劇を装って銃を使って殺していた。
織井と勝村は利音のストーカーだったため利音の父親が殺していた。小仏の連絡で函館署が逮捕した。

2016年2月17日水曜日

本当はひどかった昔の日本

本当はひどかった昔の日本 大塚ひかり
 古典で知るしたたかな日本人
捨てる、育児放棄満載
虐待天国
介護地獄 舌切り雀の真実
いにしえのストーカー殺人
若者はいつだって残酷

2016年2月16日火曜日

浅見光彦シリーズ

浅見光彦シリーズ 壺霊(これい)上・下 内田康夫
 浅見光彦33才 「歴史と旅」等のルポライター 探偵としても認知されている。兄は警察庁刑事局長・浅見陽一郎
 登場人物 伊丹千寿20 古美術商「正雲堂」の社長・勝男の娘 
 母・佳奈 祖父・大吉 母の妹・諸橋琴絵 
 浅見光彦は大吉の依頼で食堂街ルポ、千寿の依頼で母親と壺探しをすることになった。壺は高麗青磁の壺・大勝涼矢に紫式部と命名された壺だった。壺は元々は諸橋家の物だったが、佳奈が嫁入り時に伊丹家に持って来たものだった。
佳奈の失踪は妹の琴絵が上田京子に何千万もの大金を強請られ、壺を売ろうとするため勝男と相談の上壺を持って家を出たのだった。知らなかった祖父と千寿が光彦に依頼した。上田京子が殺されたため、壺は千寿の元に返されたが千寿の頼みで佳奈が見付かるまで浅見が預かっていた。
壺の名付け親・大勝涼矢は七年前、上田京子の部屋で亡くなった。病死となっているが、浅見は殺人を疑う。京子は大勝の愛人と思われていたが、浅見は親子だと見抜く。七年後上田京子は殺された。京子は恋人と結婚したいためお金が必要で、琴絵を脅迫していた。琴絵は大勝とも関係があり浅見は琴絵の関与を疑うが、琴絵は否定する。では、・・・。
大勝の妻を疑い、知り合いの刑事に車を調べてもらう。血痕が出た。京子の血液型と同じだった。
浅見は佳奈が家に帰ってきたので東京に帰る。
大勝の妻は大勝の借金を返すために大勝に心臓発作にみえる薬を仕込んでいた。生命保険で借金を返済。七年後、お金が必要になった京子は娘の権利をいいながら、薬の事をちらつかせる。妻は殺してしまい、死体を運んだ。


もうすぐ四十年前になるか。私が住んだ京の住所 姉小路油小路西入ル



2016年2月15日月曜日

素浪人半四郎百鬼夜行(六)

素浪人半四郎百鬼夜行(六) 孤闘の寂 芝村凉也
田沼意次の父・意行と意次の用人井上の父は昔奇妙な穴に入ったことがあった。入ったのは紀州だが出てきたのは富士の裾野だった。そして富士が噴火した。息子たちに話は受け継がれていた。そのため平賀源内が話す龍穴はあの穴の話だと思い、源内が騒ぐことを防ぐために殺された。
半四郎は際野聊異斎と捨吉がいなくなってから、自分一人では何も出来ないと言いながらおかしな話を調べている。三十年前に死んだ娘の骨を集め生き返らそうとした男がいた。半四郎を付け回す火盗改の中原も一緒に見ることになった。畎翁が生を吹き込んだ清姫は人の世では生きて行けなかった。畎翁が死んだ。半四郎は人の居らぬところで生きよ。と言い逃がしてやる。何も悪さはしないし、命はもう長くない。
中原は半四郎と話がしたく、長屋に来るが、半四郎のところに田沼家から迎えの駕籠が来た。
田沼家から七十石で仕官の誘いがあった。半四郎は断わる。東雲藩からも誘いがあった。東雲藩から半四郎を田沼家に出し、老中との繋がりが欲しいためだった。
半四郎は服部半蔵にも声を掛けられる。
際野聊異斎と捨吉の過去 聊異斎の名は玄斎 川田班常村家の若当主が山中で癪を起こし、山の民玄斎が腹痛を治したため陣屋の側に住むようになった。玄斎の娘・百合が側室になった。百合は子を産んだが難産で死ぬ。玄斎は歯が生えて産まれた赤児を抱いて逃亡した。

2016年2月14日日曜日

鎌倉河岸捕物控27

鎌倉河岸捕物控二十七の巻 店仕舞い 佐伯泰英
 享和三年 1803年
 豊島屋の十代目十右衛門の名を清蔵の息子・周左衛門が継ぐ。
 加賀金沢藩御用達箔屋・岩鞍屋が店を閉めるという。金座裏は調べ始めた。
 岩鞍屋は金沢の澄屋・加賀澄を買い取り、江戸金箔総請問屋になるつもりだった。岩鞍屋の子供三人が勾引かされ、内儀の実家の両親を自殺を装い殺された。岩鞍屋の財産は巻き上げられ店は潰れ、主・園太郎は拷問を受け死体で見付かった。
宗五郎は加賀藩の侍が関わっていると考え、公儀御用・長俊次に会う。加賀の名が出ないよう内々で方を付けることになった。閉じ込められていた子供たちを助け出した。祖父の功績のため特別扱いの金奉行・纐纈修三郎は死に、園太郎や俊太郎を引き込んだ佳世と俊太郎も死んだ。岩鞍屋には騙して取り上げられた内の二千両は返され、金沢藩御用達として取り引きもされることになった。

2016年2月13日土曜日

北町影同心1

北町影同心1 閻魔の女房 沖田正午
 文政四年
 大目付からの勘定奉行の息子・板谷弥一郎との縁談を音乃は断わる。音乃を追い駆け廻す弥一郎を捕まえ、牢に入れたことで北町奉行所同心・巽真之助は同心を辞めさせられそうになる。それを知った音乃はわざと奉行所の前で弥一郎を挑発し、事件を起こさせる。その場に居合わせた目付が弥一郎の業状を大事にしない代わりに真之助を辞めさせないことで取り引きした。真之助が音乃に礼に行く。
 質屋に押し込みが入り、子供を人質にし、主人に金を要求する。居合わせた音乃は表で犯人を引きつけている間に真之助は裏から回り捕まえた。
 音乃と音乃の父親は真之助の父親と会い、縁談をまとめ、祝言の日を決める。
文政五年 音乃22才 巽真之助に嫁ぐ 音乃三百五十石の旗本の娘
 結婚二年後
 若い娘が死体で見付かる。相対死とされる。音乃の知り合いだったことから調べ始める。油屋の組合長の席を狙う河奈屋が目の上のこぶ・三枡屋と泉州屋を潰すための仕業だった。泉州屋の次男も殺される。河奈屋の後ろにいるのは弥一郎と旗本・坂本だった。音乃は証拠を見付ける。
 河奈屋を捕まえる予定の前日、別の捕物で真之助は殺される。真之助が亡くなってから、河奈屋を捕まえる。

2016年2月12日金曜日

かもねぎ神主禊ぎ帳1

かもねぎ神主禊ぎ帳1 井川香四郎
姫子島神社 巫女・スセリ 貧乏神・幸之助
 花鎮め 盗みで捕まっていた峰七が小火で切り放ちになり、牢に帰らなかった。峰七の盗みを証言した久万五郎が殺され、峰七が殺したと思われた。伊勢屋の隠居が峰七を姫小島神社に連れてくる。寺社奉行堀田伊勢守配下・自称素戔嗚尊の子孫・八剣竜之介が大黒屋の番頭・茂兵衛を追求する。寺社奉行の詮議場で大黒屋の三十両の盗みは自分だったこと、久万五郎は転んだ拍子に自分の匕首で自分を刺したことを白状する。峰七を犯人に仕立て、以後、茂兵衛を強請っていたことを話す。峰七は無罪になった。
 冥府下がり スセリは神社で切腹しようとした丹波を助ける。丹波は作事奉行の賄賂を受け不正を知り、上役、老中、目安箱にも伝えたが無駄だったと言う。畳屋と盗賊・つづらの半蔵が繋がっていると話す。つづら半蔵は代替わりして殺しをするようになっていた。八剣は老中・藤堂佐渡守の病身の兄と会う。佐渡守と半蔵を名乗る笠五郎が兄に説得され、老中を辞職し国に帰った。
 貧乏神 油屋正直屋の忠八50才は油売をしながら困った人に力になっていた。長男はやくざな男と付き合い喧嘩に巻き込まれ死んだ。娘は年の離れた男と江戸から逃げ、不義密通で追われる羽目になっていた。一緒に逃げた男に売られたが、今の主人に助けられていた。女房・久も病に倒れた。娘は家族のことを考えないで、人に施す父を恨んでいた。幸之助は忠八が施した人を回り、忠八を助けて欲しいと頼み回る。忠八はこのままでは次男は悪いことをしてしまうと思い込み、息子を殺して欲しいと頼んだ。昔、ケンモホロロに追い返した物乞いが、次の日、道端で死んでいた。後悔しないよう施す事にした。
忠七と伊佐次は自首する。
 幼の神宝 山城屋の隠居の内儀・喜美が、死んだ孫に会いたいという。喜美の娘は、御用聞きの静六親分と一緒になり長屋に暮らしていた。七年前、淡路屋の手抜き普請を普請奉行に訴え出ようちして辻斬りにあった弥平の事件を探っていて行方不明になっていた。静六は与力から預かった公金を持ち逃げしたことになっていた。
 番主が喜美の孫・みっちゃんを床下から助け出して甲府の親戚に育てて貰っていたことが判った。喜美は大おば様として会い、何かの時には助けることにした。

  

2016年2月11日木曜日

鬼の大江戸ふしぎ帖2

鬼の大江戸ふしぎ帖2 鬼が飛ぶ 和田はつ子
 鬼薬 渡辺源時の妻・稀世は自分が華鬼だとは知らない。が、狙われる。
妹は許嫁がいるが、猫鬼の手代・優二が好きだった。
浅田玄九郎は死体から取った人胆で命救丹を作るが、生き人胆で命救丹を作る者が現れた。
久びさに現れた久右衛門と蚊蜻蛉鬼の花吉が熊鬼と戦う。熊鬼の首領は稀世に近づいてきたぶんだった。華鬼の出すみつと猫虎鬼のヒゲで熊鬼は退治された。

2016年2月7日日曜日

髪結い伊三次捕物余話10

髪結い伊三次捕物余話10 心に吹く風 宇江佐真理
 読むのは二度目 2013年4月21日 単行本で読んだ。今度は文庫で。「文庫のためのあとがき」を読むために。
 気をつけてお帰り 父親が火事場で亡くなり母が置き去りにした小平太とたけ16。たらい回しになった後、小平太は奉行所役人・笹岡清十郎の養子になり、姉・たけは龍之進に恋するが大伝馬町の兼吉の家に帰される。龍之進が裏店にきて妻になってほしいと言われたたけは不破家の人間になった。不破友之進がきい(祖母の名)と変名した。九月三日祝言を挙げた。二人は前夜捕物で遅くなったため居眠りしていた。
きいの辛さを乗り越える秘訣は柳原の土手を息が切れるまで走ること。
 雁が渡る 伊与太が絵師のところから兄弟子と喧嘩をして帰って来た。
きいが焼き芋をあげて話しをした若い娘が品川で義父を殺し、岡っ引きを殺した娘・おしょうだった。きいの説明で伊与太が似顔絵を描き、手配される。火の見櫓のてっぺんに追い込まれたおしょうをきいが焼き芋を持って説得に行く。おしょうは長い打ち明け話をする。きいはおしょうを逃がしてやりたかったがおしょうはあんたのためにお縄になってやると言った。
 あだ心 悩む伊与太に手習い師匠・松之丞はまめ心とあだ心の話しをする。伊与太は不破家の中間をしながら、奉行所で人相書きを描いている。
不破家の中間だった松助と伊三次の家の女中・房が所帯を持った。松助は十手を持ち、自身番に詰めた。
 かけそき月明かり お文は迷子・さと6を連れて帰って来た。銚子の寺から逃げたことが分かった。松助はさとを自分の子にするという。
 凍て蝶 さとは佐登里と名付けられた。房の実家が銚子の寺と話しを付け、正式に松助と房の息子になった。
奉行所は五人の盗賊を追っている。伊与太は仲間の中の一人だけ人相書きがないことを不信に思った。闇夜の政吉は絵師だった。人相書きを書いた代官所の手代が絵を教わった人だったため人相書きを書かなかった。政吉は捕まる。政吉が佐登里の父親のようだ。佐登里は父親は絵師だったと聞かされている。伊三次夫婦、松助夫婦ははっきりしないことと心に閉まった。
 心に吹く風 茜16に同門の土佐藩藩士の縁談が起こる。茜は事あるごとに毒のある言葉を投げつけてくるため、一切無視してきた清水久保からの縁談が解せないから断わる。
二十四、五まではお務めしなければならないと言われた大名家への女中奉公に上がることにした。
伊与太は師匠のところに戻る。
茜はお前が他の娘を女房にするなど、いや!と言う。伊与太はおいらが一流の絵師になれたらお嬢を女房にできるかも知れませんね。今までは絶対無理だと思っていました。お嬢のために努力する。という。
茜は伊与太の描いた不破家の庭の絵と茜の絵を持って、松前藩の上屋敷に黒塗りの四人の陸尺の輿で行った。
 文庫本のためのあとがき 2013年 乳癌から骨、リンパ節に転移している進行癌が見付かる。食事の用意、洗濯、掃除、ゴミ出し、執筆を続ける。
 平成二十五年 六十四歳の誕生日の後で 

 
 

2016年2月6日土曜日

大富豪同心9

大富豪同心9 卯之吉子守唄 幡大介
 入江町の番小屋に八巻に渡して欲しいと赤児を預けた女がいた。神竜一家の権太夫の情夫・兼が死んだ権太夫の子・藤吉を盗っ人にしたくないために八巻卯之吉に預けた。兼は神竜一家が捕まるように、藤吉の産着に権太夫の隠し金の在り処が書いてある。と言う情報を流す。八巻たちは何も知らない。兼を逃がすために囮になり殺された富蔵の捜査をしていた。
神竜一家は産着を奪うために八巻の屋敷に忍び込み、美鈴の小柄で怪我を負う。
神竜一家は惨い押し込みをし、注意を向けている間に八巻の屋敷に二人で忍び込むが、捕まってしまう。八巻の家に忍び込むのが神竜一家だと分かる。荒海一家は美鈴の小柄で怪我をした血痕を追い、隠れ家を突き止めるが、二人を捕まえたために神竜一家は塒を変える。捕り方が行った時にはいなかった。
兼が三右衛門の子分に捕まり、八巻に全てを打ち明けた。
美鈴が兼の代わりに囮になり、現れた所を一網打尽になった。
藤吉が乳離れをするまでは長屋で暮らし、地蔵堂の堂守になり、江戸に入る者を見張る奉行所の密偵になることになった。

2016年2月5日金曜日

居眠り磐音 江戸双紙51

居眠り磐音 江戸双紙51 旅立ち丿朝  佐伯泰英

2016年2月4日木曜日

居眠り磐音 江戸双紙50

居眠り磐音 江戸双紙50 竹屋丿渡 佐伯泰英

2016年2月3日水曜日

新・剣客太平記三

新・剣客太平記三 俠気 岡本さとる
 文化七年 狭竜蔵37才 
 望郷 芦田茂兵衛30 狭道場へ入門して一年、九州筑後三池の立花豊前守の領地替えをきっかけに江戸へ出る。居酒屋の住み込み用心棒をしながら道場へ通う。居酒屋で働く女中のおきみの別れた旦那が縒りを戻そうとやってくる。追っ払っていたが心を入れ替え今では武州の金沢で名物団子を作り頑張っていることを聞き、おきみはついて行った。きみ団子
 憧憬 渡り中間の六平35 渡り中間をしていた毛受家の奥様・鈴江30才と息子10世話をやく。毛受家は二百石の旗本だったが、女中が女郎に売られるのを止めようとして喧嘩になり一人が死んだ。家は改易になり腕を怪我して剣術ができなくなり自死した。女中の兄が鈴江を金持ちの隠居に売ろうとしていることを知り、竜蔵は妻・綾と協力してとっちめ、網結の半次親分に渡す。
 旅の続き 大目付・佐原信濃守に頼まれ、陸奥国三春秋田家五万石の城下の剣道道場の対立を収めに行く。佐原家を致仕した真壁清十郎の代わりに猫田犬之助を連れて行く。お金の御陰で流行っている道場を潰した。道場主が年を取り病床にある直心影流黒岡道場の師範代に中川裕一郎を送り込うと思う。補助に芦田茂兵衛も一緒に。茂兵衛は仕官出来るかも知れない。そして猫田に清十郎の代わりに佐原信濃守に仕えるように言う。
 秋葉山まで 竜蔵の祖父・国学者・中原大樹が亡くなった。84才だった。

2016年2月2日火曜日

江戸人情街道

江戸人情街道 菖蒲侍 井川香四郎
 菖蒲侍 肥後熊本の豪農の六男に生まれた善兵衛は絹問屋の婿養子になる。百両を融通してもらい寸志御家人になり花御殿に近づき、御花奉行と呼ばれる緒方藤五郎に近づいた。文化十三年 1816年将軍家斉が病気の生母に菖蒲の花を見せたいと御触れが出た。善兵衛は自分が育てた鉢植えの菖蒲を持って江戸へ行く。大磯で大津波に遭った子供たちを見、一鉢残った菖蒲を将軍家御花指南役・伊勢津藩の柿沼に五十両で売り、子供たちに与えた。
菖蒲は奇麗に咲いた。細川の殿様は、伊勢の面子を立ててやり、困った子供を救い、将軍御生母様は喜びと褒めた。将軍は肥後菖蒲と見抜いた。鉢に、藩の家紋九曜星が焼かれていた。椿、芍薬、菊、朝顔、山茶花に菖蒲を加えて、肥後六花で売り出すことになった。絹問屋は花屋になった。
 鷹匠でござる 伊予金子藩一万石の殿様は元は鷹匠の下男だったという。雪太郎は奥州棚倉藩一万三千石藩主松平少将惟政が五才の時棄てられていた雪太郎を見付け、お狩り場で兄弟の様にして育った。口調も殿様口調になった。水野忠邦の改革批判をして棚倉藩は潰された。少将は、雪太郎に家康公から授かった脇差しを与え、旅に出新しい行き方を見付けよといい、切腹した。
津軽藩十万石当主津軽侍従信順と会う。信順は獅子身中の虫を捕まえるために馬鹿殿の振りをしていたが、雪太郎がきっかけで、家老高倉の密貿易が明らかになる。信順は雪太郎を引き止めたが旅に出てしまった。六年後、天保十二年(1841)の春、伊予金子藩の藩主になった。
 ひとつぶの銀 植村文楽軒は人殺しと火付けで追われている夜鷹の格好の女・お絹を助けた。淡路島まで逃がすつもりが捕まってしまった。お絹が殺したとされる田島屋の手代の殺人場面を犯人が番頭という設定で人形浄瑠璃で演じる。見ていた番頭が思わず叫び、現れた佐伯同心に捕まり、揉み合っているうちに刺してしまったことを白状した。火付けは土間にあった蓑笠が囲炉裏へ飛び込んだからだった。
文楽軒は十五年前、小屋が流され人形を失い死ぬつもりのところをお絹に助けられたのだった。佐伯はお絹に伝え、お絹やり直せるかと聞く。お絹は頷く。
 御馬番 使い道がなく年取った馬は他所の藩領で売られる。大瀬藩の御馬仕付世話方の牛尾秀政は妻恋藩へ行ったが馬の目を見て買い戻してしまった。放して来たつもりが付いてきてしまった。馬は柵を軽々飛び越えて中に入った。秀政は御前馬術で騎馬奉行と勝負することになった。覇王と名付け練習する。
試合の日、馬場馬術、野外騎乗が終わり障害飛超になった。両馬が障害に向かった。騎馬奉行は飛び超えた。着地に失敗し、馬は足を痛め、走れなくなった馬は可哀想と留めを刺された。秀政はぎりぎりで止めた。藩主は馬が可哀想だ。私は馬を道具扱いせよとは言っていない。馬術神髄を学び直せ。という。御馬番、精進せよ。馬も褒められた。
 ため息橋 ヴェネチアで医者をしている周次郎(37)。日本で浮気ぐらい何が悪いという妻を斬った。周次郎は逃げてここまで来た。宝暦十年 1760年十五年前に日本を出た。
手伝いに来ていたニコが殺され、周次郎が犯人とされた。が真犯人が見付かり釈放されたが、真犯人が本当の犯人に思えない周次郎は、自分が犯人だと名乗り出て処刑された。
日本で処刑される筈が十五年延びただけと思いながら。
 露の五郎兵衛 千日回峰行をし阿闍梨になろうとしていた鈍念が山を下りて、五郎兵衛の弟子になった。話術で人を集める修業だ。寺町に人を集めようとする。三日に一つ新しい話をする。一年が経ち、人が集まり寺が門戸を開く。鈍念が会いたかった昔の恋人が子供を連れて現れた。自分のことを話にして、芝居相手のように見つめて話す。会えて良かった。
露之五郎兵衛は倒れた。鈍念は江戸から花火師を呼ぶ。商家から花火の後で店の名前を呼ぶことでお金を集めた。花火のなかで五郎兵衛は死ぬ。一年後、鈍念は五郎兵衛を襲名する。数年後、元禄になって噺家の始祖の一人として名を轟かせる。

2016年2月1日月曜日

仇討ち東海道二

仇討ち東海道二 足留め箱根宿 小杉健治
 矢萩夏之介と小弥太は通行手形を持たない女・おさんと道連れになる。小弥太の姉ということで関所を通ったが後で宿に足留めされた。
 おさんは小田原の賭場の貸元風祭の文三から逃げていた。文三を刺し直次と逃げている。夏之介はおさんの話と、追ってきた十手持ちの伝六の話を聞き、文三の後を継ぐ扇蔵と対決する。夏之介は文三が直次に刺されて苦しんでいるのを見て扇蔵が心臓を突いたと言い切る。二人を捕まえてしゃべられては困るので殺すつもりだろうという。伝六は夏之介の言い分が合っているような気がする。用心棒の二人に傷を負わせ、決着がついた。逃げた二人は文三の死とは関係がない。文三は押し込みにやられたことになった。
 箱根宿では雲助が二人殺されていた。三人目もやられ、次は松蔵ではないか思われていたが四人目は備州がやられた。備州は松蔵と良く似ているので間違われたと思われた。夏之介は四人が殺され、箱根を出て江戸へ行く松蔵が犯人だと思う。証拠がなかった。が、伝六親分が、出発する前の松蔵をつけ、五十両と匕首の隠し場所を突き止めていた。一月前商人を襲って五十両を二人で奪った。それを見ていたのが備州だった。三人で分けることになったが、松蔵は独り占めしようと、二人を殺すために別な二人を殺して、二人が警戒しないように偽装していた。証拠も出、伝六親分は一ヶ月前の商家殺しと、四人の雲助殺しの犯人を捕まえた。
おさんと三島まで行く。仇の新谷軍兵衛は先に行ってしまっただろうと言う夏之介と小弥太に、直次が軍兵衛は三島にいる。と告げる。直次が探していてくれたようだ。