2016年2月12日金曜日

かもねぎ神主禊ぎ帳1

かもねぎ神主禊ぎ帳1 井川香四郎
姫子島神社 巫女・スセリ 貧乏神・幸之助
 花鎮め 盗みで捕まっていた峰七が小火で切り放ちになり、牢に帰らなかった。峰七の盗みを証言した久万五郎が殺され、峰七が殺したと思われた。伊勢屋の隠居が峰七を姫小島神社に連れてくる。寺社奉行堀田伊勢守配下・自称素戔嗚尊の子孫・八剣竜之介が大黒屋の番頭・茂兵衛を追求する。寺社奉行の詮議場で大黒屋の三十両の盗みは自分だったこと、久万五郎は転んだ拍子に自分の匕首で自分を刺したことを白状する。峰七を犯人に仕立て、以後、茂兵衛を強請っていたことを話す。峰七は無罪になった。
 冥府下がり スセリは神社で切腹しようとした丹波を助ける。丹波は作事奉行の賄賂を受け不正を知り、上役、老中、目安箱にも伝えたが無駄だったと言う。畳屋と盗賊・つづらの半蔵が繋がっていると話す。つづら半蔵は代替わりして殺しをするようになっていた。八剣は老中・藤堂佐渡守の病身の兄と会う。佐渡守と半蔵を名乗る笠五郎が兄に説得され、老中を辞職し国に帰った。
 貧乏神 油屋正直屋の忠八50才は油売をしながら困った人に力になっていた。長男はやくざな男と付き合い喧嘩に巻き込まれ死んだ。娘は年の離れた男と江戸から逃げ、不義密通で追われる羽目になっていた。一緒に逃げた男に売られたが、今の主人に助けられていた。女房・久も病に倒れた。娘は家族のことを考えないで、人に施す父を恨んでいた。幸之助は忠八が施した人を回り、忠八を助けて欲しいと頼み回る。忠八はこのままでは次男は悪いことをしてしまうと思い込み、息子を殺して欲しいと頼んだ。昔、ケンモホロロに追い返した物乞いが、次の日、道端で死んでいた。後悔しないよう施す事にした。
忠七と伊佐次は自首する。
 幼の神宝 山城屋の隠居の内儀・喜美が、死んだ孫に会いたいという。喜美の娘は、御用聞きの静六親分と一緒になり長屋に暮らしていた。七年前、淡路屋の手抜き普請を普請奉行に訴え出ようちして辻斬りにあった弥平の事件を探っていて行方不明になっていた。静六は与力から預かった公金を持ち逃げしたことになっていた。
 番主が喜美の孫・みっちゃんを床下から助け出して甲府の親戚に育てて貰っていたことが判った。喜美は大おば様として会い、何かの時には助けることにした。

  

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