2016年10月21日金曜日

みとや・お瑛仕入帖 2

みとや・お瑛仕入帖 2 五弁の秋花 梶よう子
 鼻下長物語 みとやの近所に吉原を退いた花巻花魁の店、お総菜の店・四文屋・はなまきが開店した。花魁だった花巻・花が母親と出した店だった。
 長太郎が仕入れた黄表紙に挟まれた錦絵を見た瑛は、景色に見覚えがあった。挟んであった黄表紙・鼻下長物語は早口言葉だった。
 長太郎の友達・寛平が一緒になろうとした中里が旗本に身請けされると言う。長太郎は花に頼み、旗本と早口言葉の勝負をし、中里・里を取り返した。寛平は里と幼馴染みだった。醤油屋の娘で父親が亡くなった後、店を番頭に乗っ取られ母親と行方知れずだった。寛平は探し回りやっと見付けたのだった。
 とんとん、かん 茂兵衛に頼み腕が太くならないように櫓を軽くしてもらった。瑛は船頭・辰吉に速さ勝負を挑まれる。辰吉の父親の形見を使って先輩船頭が押し込みをしたことで、茂兵衛が辰吉の祖父だと解った。辰吉は茂兵衛と一緒に安房へ行った。
 市松のこころ 辰吉は江戸に帰り、茂兵衛の代わりに柚木で船頭をし始めた。
 火事を出した人形屋・巴屋から市松人形を仕入れてきた。市松人形を見に来る男の子がいる。巴屋に市松人形を卸した人形師の息子・太助だった。二年前、川に落ちた太助を助けに来た姉が亡くなり、姉の髪の毛を市松人形に使っていた。川に落ちた市松人形を取りに助けが川にはまった。辰吉と瑛が太助を助け、市松人形も探し出した。
 五弁の秋花 みとやの裏の長屋で手習い塾をしている菅谷道之進が、花に女郎花の銀の簪を贈った。元花魁に女郎花の花の簪は失礼だと思う瑛に、花は女郎花は粟花ともいうが、その昔は思い花とも呼ばれていたという。
 はなまきに三次の姉が奉公することになった。品川から板橋に売られるところ、寛平の父親にお金を出して貰った。三次は銀の簪を作った職人の所に修業に行く。
 辰吉に錦絵の場所を探して貰うことにした。
 こっぽりの鈴 長太郎が仕入れた下駄が盗まれたものだった。瓦版で盗品を売っていると書かれたみとやは客が来なくなる。長太郎は自身番に連れていかれた。森山の隠居の口利きで牢送りにならず番屋から戻ってきたが、偉い人に罪を揉み消して貰ったと噂が広まった。長太郎に下駄を売った人を探そうとする。
 橋崩落後会った事が無かった幼馴染み・せんに会う。せんは盗まれた下駄屋の養女だった。橋を渡れない瑛をせんは橋に連れていく。せんを心配する八丁堀の同心・八坂を知る。せんが言う「昔、今度濱野屋さんに三つの女の子が来るから仲良くしてあげなさい」と。
 足袋のこはぜ せんの仕組んだことではないかという瑛に幼馴染みなのだから信じておやりと言う長次郎。長次郎と自分は兄妹では無いのではないかと思う瑛。
長次郎は左耳の後ろに黒子があった事を手掛かりに下駄屋の手代を探している。みとやを訪れた八坂からせんの話を聞く。小間物屋で店を見て回り盗人仲間を集めて仕事をする盗人の人相書きを見る。長太郎が探している手代だった。盗人・淳八が狙っていたのは寛平の店だった。小間物売りに扮して来たところを捕まった。店を救ってくれたのは長太郎だと余り布や帯締めを譲ってくれた。向かいの足袋屋から貰ってきた足袋は、五枚こはぜのせんのために作られた足袋だった。
下駄屋津山も狙われていた。淳八に土蔵を開けたのはせんだった。淳八に唆され瓦版に頼んだのもせんだった。瑛が橋を渡れないように父を失った船にせんは乗れない。せんを船に乗せ、母親がせんの為に作ってもらった足袋を見せる。
 瑛は辰吉と野新田に行く。自分が来たことがある、母親に手を引かれ、もう一人いたのが益次だったことに気が付き益次に手紙を書く。益次から返事が来る。瑛は母親の妹の所に養女に出されたが、妹が亡くなり後妻に子供が産まれたので瑛は返されたのだった。浜野屋への帰り道、絵師に声をかけられ、描かれたものだった。

0 件のコメント:

コメントを投稿