針と剣 縫箔屋事件帖 風を繍(ぬ)う あさのあつこ
ちえ 16才 縫箔屋丸仙の一人娘 榊道場に通い榊道場の白竜と言われている。母・滝
仙助 40才 丸仙の主人・縫箔師、ちえの父親
芳澤一居 17才 旗本二千石の三男、母は女中だった。兄が後を継ぎ、もうすぐ子供が出来る。 佐竹道場に通う。
伊上源之丞 ちえの同門の兄弟子、五十石御家人・普請方 嫁に来いと言う。
丸仙に一居が弟子を志願しにくる。何度も仙助に断われれていた。一居は刀を捨てるため榊先生に頼み、榊道場の師範代・佐原荘吾と手合わせをした。町人姿で絶縁され弟子志願に来る。大名に嫁ぐ姉の花嫁道具のなかの上布の帷子の刺繍に見せられた。世継ぎ争いに巻き込まれ姉が自死する時、その帷子を纏い、袖の一部を一居に届けられたこと、それが、仙助の仕事と知ったことなどを語った。一居は弟子入りを許された。
丸仙の弟子・正造の娘・信が斬り殺された。四年前に五人の娘が斬り殺された事件の犯人と同じだった。
ちえは神社で男・作助に襲われ取り押さえるが、一連の事件の犯人ではなかった。ちえは作助が持っていた匕首がきになった。匕首から娘殺しの犯人の動きが分かった。
榊道場の師範代・佐原が犯人の疑いを掛けられ、自死する。榊道場も閉じられた。岡っ引き・仙五郎に話を聞き、源之丞とちえと一(居)で犯人を探し出す。知られていない武士の娘が二人殺されていた。娘・直江を誘い出したのが佐原だった。道場内に佐原の噂をばらまいたのが誰かと調べた。
作助は、娘殺しの犯人とぶつかっていた。源之丞とちえは同門の八槻に作助がぶつかった男の顔を思い出そうとしていると伝える。作助が襲われ、下手人を捕まえた。八槻は佐原の知り人を殺して、罪を擦りつけようとした。
誘い出しの手紙は八槻が直江にも佐原にも出していた。佐原に自分が行かなかったから直江が殺されたと思い込ませていた。四年前の事件も八槻だと白状した。
榊道場は無くなった。
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