2018年5月11日金曜日

表御番医師診療禄〈11〉 埋伏

表御番医師診療禄〈11〉 埋伏 上田秀人
 御広敷番医師・矢切良衛は、大奥で将軍の料理の調理に携わる御前所の仲居が腹痛を起こしたことから綱吉の食事、身体のことが気になり、お目通りし脈を見る。毒を心配し診察したのだが、綱吉は脈が多く、拍子に乱れがあった。食事に付いて調べると、味を濃くという申し送りがあった。大奥で伝の方を通じて綱吉に塩分を控えた食事をとってもらった。先代の台所人を探す。上様の異常を知っていたにも関わらず黙っていただけでなく、次の者に引き継がせた者を探そうとする。現在もその者が奥医師であったらと考えるとどうしていいか判らなくなる。
 異常を言わぬ奥医師を信用しなくなった綱吉は、奥医師に脈を見せなくなった。半井出雲守は用人・真鍋に矢切の話しをする。真田は深川の無頼の者を差配するようになった真野に敵対する仏の鬼作に矢切のことを頼んだ。鬼作は矢切の屋敷を襲撃するが、矢切の反撃と真野たちによって返り討ちにあう。真野は鬼作が誰に頼まれたかを聞き出した。

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