2018年5月23日水曜日

九頭竜覚山 浮世綴〈一〉

九頭竜覚山 浮世綴〈一〉 門前仲町 荒崎一海
 雲州松江の松平治郷が学問一辺倒だった九頭竜覚山33を松江から連れ出し、門前中町に住まわせる。深川一の売れっ子芸者・米吉30が覚山に惚れ、覚山は所帯を持つ覚悟を決めた。料理屋万松亭の裏手の路地向いの二階建ての米吉の住まいに住む。万松亭の主・長兵衛に頼まれ、通りの用心棒になる。米吉は芸者を辞め、三味線等を教える。
 料理茶屋・青柳で芸者・房次が殺された。覚山は駆けつけ、本所深川の定町廻り・柴田喜平次36、御用聞き・弥助31を呼ぶ。
 気がついたこと、おかしな事、調べたい事等、覚山は柴田や弥助に話し、調べに協力する。船頭・松吉が覚山に情報を持ってくる。房次を呼んでいた山形屋五郎兵衛も殺されて見付かる。房次を殺したと思われる芸者・小糸と山形屋を乗せたと思われる船頭・蓑助が一緒に遺体で見付かる。覚山の助言で房次と山形屋の関係、小糸と蓑助の関係(潮来出身)、小糸と蓑助から羽州屋の関係(小糸の父親の時から世話になっている)。羽州屋から山形屋、長谷堂の兄弟店に繋がる、百年以上前の話しだ。五郎兵衛の娘・かよの本当の父親・藤巻十蔵が知れる。最上家当代の母親の里の五男。
羽州屋の出店だった山形屋が百年たち地所を持つ大店になっていた。昔、繋がりのあった、羽州屋と長谷堂が山形屋との関係を深め、山形屋の地所を手に入れようとした。何となく感ずいた五郎兵衛が遺書めいたものを房次に預けようとしたことで房次は殺された。
町方の調べが近付いたため、羽州屋と長谷堂は山形へ行こうとし、捕まった。
藤巻十蔵はお前さえいなければ上手くいったのだ、と覚山の前に現れ襲い、覚山に斬られ死んだ。

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