2018年5月6日日曜日

ベッキーさんシリーズ② 

ベッキーさんシリーズ② 玻璃の天 北村薫
 幻の橋 花村英子のお友達・内堀百合江・内堀銀行の娘が付き合っているのは、電気製品を扱う内堀の洋二郎の孫・東一郎だった。二人の祖父が兄弟だったが、明治の時代に仲が悪くなった。洋一郎の名前で・弟・晃二郎が存命にも関わらず、晃二郎の死亡広告が新聞に掲載されたことが原因だった。百合江と東一郎のことから、洋二郎が折れ、仲直りの記しに浮世絵を送る。掲げた浮世絵が無くなったことで、栄子は昔の新聞を見に行く。洋二郎の名前と連ねて書かれている元女中の名前を見て、犯人が執事だと見抜く。
 想夫恋 同級生の公家から華族になった家柄の清浦綾乃。本を貸し借りするようになった。二人だけの秘密で学校の最も奥まった西の隅の築山の裏の比較的日当たりのいい場所に福寿草を植えた。一週間後綾乃は家を出た。暗号文の手紙を残して。英子はベッキーさんの力を借りて暗号文を読み解き綾乃の駆け落ち相手を見付けた。箏の若先生だった。英子は父親に口利きを頼み二人が結婚できるようにしようと思う。
 玻璃の天 2月 英子の家で晩餐会があり、経済界をリードする末黒野貴明と出会った。末黒野の家は友人の建築家・乾原剛造の設計で完成した。披露の会に出かける。段倉荒雄の講演会が終わり、弁士が徳川夢声の映画上映の最中、段倉が屋上のステンドグラスを突き破って落ち、ホールの大理石像に当たって死んだ。雪が積もったスロープの足跡を見た。ベッキーさんと話した。ベッキーさんと末黒野家へ行く。
 乾原の父親は大学の先生だった。同僚を家に招いて送りに出た時、暴漢に襲われた。父親も家に居た妊婦の妹も父親の同僚も殺された。暴漢は思想の違う段倉の取り巻きだった。父親の同僚はベッキーさんの父親だった。妊婦のお腹の子の父親は末黒野だった。段倉を殺すために建てた家だった。ベッキーさんは個人が自分の正義のために、立場の違うものを抹殺することなど許されない。
 英子は告知したのだろうか。

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