若さま十兵衛 天下無双の居候4 御前試合 早見俊
若い娘が殺され、お腹を切り裂かれる事件が三件起こった。三人とも信濃諏訪藩主・福山石見守義里の屋敷奉公を終えた者たちだった。義里の妻・鶴姫は駿河大納言忠長の養女だった。忠長が御前試合を催すというので推挙願いに行く。鶴姫と共に大納言家から供侍として入り、剣術指南役をしている河野新十郎と手合わせする。十兵衛は三人の娘を斬ったのは新十郎だと思う。もう一人辞めた女中がいた。福山家勘定吟味役三百石の鈴鹿籐三郎の娘・君江だった。千両の使途不明金のため河野を糾弾仕様としたやさき、鈴鹿は無実の罪を着せられ娘も一緒にお役御免にされていた。鶴姫は石見守の身の回りのお世話そしていた女中に悋気を起こし、順に殺して子供がいないか見たようだ。君江が狙われた時、籐三郎と十兵衛が守り、十兵衛は新十郎を倒した。
従三位権中納言八坂小路基経卿が江戸見物のため堅苦しい接待を抜け出して十兵衛の所に来る。浅草で唐人服で力自慢の大道芸を見た。基経が睨み、虎を大人しくさせた。鬼一法眼が開いた、鞍馬流法眼流を使う。
平戸屋が襲われ、店の者と奉行所の捕り方が殺された。大道芸をしていた者が犯人だった。平戸屋は海賊団「蛇牙」に加担していた。隠してあった略奪品を略奪してきていた。海賊一味が復讐と略奪品の奪還にやってきたのだった。平戸屋の手代・善次郎が一人生き残った証言だった。基経と十兵衛で海賊一味を片づけた。基経は善次郎を殺した。
助蔵が風吉爺さんと出会う。宮本武蔵に敗れた吉岡憲法・清十郎だった。遅れて来て後ろから狙うという卑怯な手に負けても負けは負けと剣を捨て欲を捨てた自然な剣になっていた。宮本武蔵が剣道指導をしている明石藩小笠原の家来・飯尾源之進が清十郎を倒そうと挑んで来る。飯尾は敗れた。
家光と十兵衛の父・宗矩がお忍びで富士見湯の二階にやってきた。忠長の御前試合に出て、忠長の様子を探って来いという。家光と手合わせをしているのを巴が見て、家光に基本が出来ていないと指導した。将軍とは知らない。
御前試合に出るために東海道を下る。忠長の側室・麻衣の方を護ることになった。真剣の部は柳生十兵衛が優勝し、木刀の部では鈴鹿籐三郎が優勝した。
終わる寸前、柳生但馬が馬で乗りつけ、駿府城下に逃げてきた盗賊たちの捕縛の助勢を頼みに来た。遠藤出羽守雅盛が、盗賊たちを出場者に見せかけ道中手形を発行し江戸から逃す代わりに、盗んだ金子と財宝の半分を自分の物にしようとした。旅の途中やたら出場者が多かったのと麻衣の方も盗賊だった。麻衣の方と言う側室はいなかった。
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