2016年6月21日火曜日

道具侍隠密帳【四】

道具侍隠密帳【四】 天空の御用 早見俊
天保十年 1839
能登川清兵衛は非役の小普請組だから将軍御側衆・上野権十郎久唯から報償金を餌に便利に使われている。上野は御側衆から御側御用取次への出世を狙っている。
 武蔵国多摩郡菊里村の五千石上月家が改易になった。上月家は南朝の末裔だったが血筋が途絶えた。隠し財産があると専らの評判で、隠密が三人行方不明になったようだ。隠密行方不明の件の探索をすることになった。清兵衛は菊里村で地下蔵を見付け宝物を見付けた。それは盗人たちが盗んだ物だった。菊里村は盗人が盗んだ物を預かってお金を儲けていた。上月家は三千五百石しかなく、百姓から税を徴収したこともないようなところだった。
 清兵衛は徒目付になった。役高百俵五人扶持、上野には上月家の所領のうちの五百石が加増になった。

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